弐佰漆拾玖 ページ40
･
二重「ﾌﾌｯ………貴方達は、
互いを信頼しあって居るんですね。
聞いていて安心します。
………最近は本当に、ブラック化や解体の話が
多く浮上していたので………」
七緒「二重さん……」
二重「聞いてて、とても穏やかな気持ちになります。
優しくある事を………本当に大切な事を
思い出させてくれる…………
人は丈夫には出来ていませんから」
太鼓「？何つーか、疲れてるのか？？」
二重「疲れ………そうですね。
少し、疲れまして………最近は特に。
仕事が辛い訳ではないんです。
ただ………ブラック化や解体されてしまう、
そんな寂しい本丸を見る度に、ね。
誰にも知られず、
誰にも見つけてもらえない………
そんな、名も知れぬ亡霊達の声に、
耳を傾けると、どうしても」
その声音は、とても悲しみに満ちていた。
嗚呼、彼女は幾度も見てきたのだろう。
今はもう居ない、かつて確かに
そこに居た“物語”を。
その“物語”達の声を。
二重さんは“失礼”と言って、
それ以上、語ることはなかった。
───────────────
二重「こちらです」
そして辿り着いたのは、集中治療室のような、
病院内の施設のような………
冷たく、寂れた雰囲気を感じる扉までやって来る。
？？ここは一体………
蜂須「二重、ここは？」
二重「ここはブラック化した本丸や、
解体寸前の本丸、または所属不明の刀剣男士が
治療や保護を目的とした施設です。
人間で言う、集中治療室………のような所ですね。
原因不明の病やバグなどが重症な刀剣男士が
対象になってます。
これから見てもらいたいものは
ここにいる一部の刀剣男士。
その………精神的にショックが大きいと思います。
特に、太鼓鐘貞宗様」
太鼓「え、俺？」
二重「貴方に縁のある者達がいますから。
しかし、七緒さんにはどうしても
確認してほしい事がありますので。
嗚呼、ご無理はなさらないでくださいね」
太鼓「………いや、俺行く」
七緒「まあここまで来たからね。
私もちゃんと行くよ。
忠告ありがとうございます」
蜂須「主が行くなら、俺も勿論」
二重「………分かりました。
では、私に再度着いてきてください」
･
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 55人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：冷泉 雪桜
| 作成日時：2020年10月29日 14時
