弐佰肆拾参 ページ4
･
切国「“主”、居るか？」
長谷「？」
離れの扉を叩き、山姥切はそう声をかけた。
“主”？主もここにいるのか。
だが、中から聞こえた声は、
幼い童の声だった。
??「まんば？どうぞ」
長谷「？？？」
切国「この本丸の本来の主だ」
長谷「な、何っ」
切国「訳あって、ここに居るがな」
??「会いに来てくれたんだね」
扉を開けると、そこに居たのは声に見合う
幼子の男子が居た。
日を知らぬような少し青白い肌に、痩せた体。
歳の割に少し大人びている雰囲気。
だが、その幼子からは先程から感じていた
“強力な霊力”を感じ取る。
幼子は山姥切の姿を見て嬉しそうに頬を緩めた。
………が、俺と目が合った時、
彼は驚愕した………恐れるような表情へと一変する。
??「は………せべ……っ」
長谷「貴方は………」
??「駄目だよっ、僕に近づいたらっ！」
切国「大丈夫だ。主。
あんたは以前とは違うだろう？」
??「で、でも、」
切国「大丈夫」
??「…………」
幼子は戸惑いを見せていたが、
山姥切の言葉に落ち着きを取り戻す。
??「………ごめん」
切国「長谷部。こいつが本当の“冬矢”だ。
あんたを顕現したのもこいつだ」
長谷「では、今まで俺が主だと思っていた彼は？」
冬矢「あの人は僕のカウンセラーの人だよ。
僕がこんな風だから、人目につけない僕の代わりに
代理の審神者として居てくれているんだ。
名前は“
紹介が遅れたね。僕が“冬矢”だよ。
さっきは取り乱してしまってごめん。
でも僕に近づいたら駄目だからね？」
･
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 55人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：冷泉 雪桜
| 作成日時：2020年10月29日 14時
