弐佰肆拾壱【怠惰ノ罪】 ページ2
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───俺の望みは────
────【意】を殺す事───
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長谷部side
??「今日からここが、
君の帰る場所だよ。へし切長谷部」
俺は“
二振り目のへし切長谷部だった。
前の俺は戦場で折れ、それからへし切長谷部と
言う刀剣はしばらく顕現しなかったと聞いている。
新たな主、冬矢様はその話をしながら、
俺を歓迎し、穏やかに笑っていた。
??「冬矢」
冬矢「嗚呼、切国。遠征ご苦労だったね。
怪我はなかったかな」
切国「全員無事だ。資材も揃っている」
冬矢「そうか。それは良かった。
そうだ。第二部隊がね、
へし切長谷部を戦場で拾って来たんだ。
色々と教えてやってくれ」
切国「！…………長谷部……」
顕現して初めて会った刀剣が山姥切だった。
山姥切は俺を見て、少し驚いていた様子だったが、
それは一瞬で、直に俺に向き直る。
切国「ここの初期刀、山姥切国広。
国広の第一の傑作の評価を得ている。
分からないことがあれば俺に聞くといい。
歓迎するぞ、長谷部」
凛とした立ち姿に、翡翠の瞳は俺を射抜く。
一瞬で分かった。こいつはこの本丸の中で、
最も強いと言う事を。
二人が話す様子から、
互いに信頼し合っている事が見て取れた。
…………一瞬で敗北した気分だ。
俺は、主の一番にはなれないのか。
何だこの妙な敗北感は。
いいや、俺は絶対に主の一番になる。
直に追いついてやる。
絶対に、近侍の座を奪ってみせよう。
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長谷「が、！？ぐぅ……っ」
切国「もう終いか？」
手合せ。そんな勢いで山姥切に勝負を挑んだが、
呆気なく敗北し続けた。
強い………異常に強すぎる。
山姥切は息切れ一つもしていない。
俺はこれ程疲弊しているにも関わらず、
こいつは疲弊どころか平然としていた。
そこで力の差を思い知った。
後藤「おーい、歌仙が今菓子作ったから
八時にしようって言っ────て、
げ。まだやってたのかよ」
切国「嗚呼、後で貰いに行くぞ」
後藤「長谷部………無茶苦茶だなお前。
最古参の切国に勝てるわけねぇだろ………
お前この間顕現したばかりだし」
後藤「力比べしたい気持ちは分かるけどよ、
切国は“極めて”いるし、
極めてからもう“カンスト”してるんだぜ？」
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作者名：冷泉 雪桜
| 作成日時：2020年10月29日 14時
