佰玖拾漆 ページ38
もしも、俺の知らない所で
七重家がカルト集団と関わりがあるのなら。
妹を………自分の親族が襲ったのかも知れない。
確証はないが、もしもそうだったら………
そんな後ろ向きな思考が俺を支配していく。
不安で仕方ない。
二重「七緒さん………?」
七緒「………いえ、何でも。
それよりも私は襲撃事件を探りたい。
妹の捜索の件で貴方にはお世話になっている身です。
出来る限り、貴方の力になりたい。
もしかすると妹の本丸について
何か分かるかも知れない」
二重「!ご協力感謝します。
貴方程の実力者が力になって下さると心強いです。
私も立場上、自由には動けません。
全国の審神者の中でもランク上位の方々にも
協力の交渉して頂いている所でしたので………
話が早くて助かります」
七緒「ではまず最初に、
被害に合った本丸に訪れる事は可能かな。
出来ればこの目で確かめたい」
二重「………そうですね。私の方で何とかしましょう。
それから、一度見ていただきたい物があります。
後日でも構いませんので、一度政府本拠地にて
来てくださいませんか」
?本拠地………?
審神者でも滅多に行かない政府本拠地。
そこに何があるのだと言うのだろうか。
いや、この際はもうどんな小さな情報でも欲しい。
Aが………彼女が生きているならば。
俺のたった一人の家族を
見つけてあげれるのなら。
七緒「………分かった。行きましょう。
私の力が役に立つなら、幾らでも」
二重「その後、被害に合った本丸の調査を
私の方で何とかしてみます。
私も全力でサポート致しますので」
七緒「ありがとう」
二重「…………皮肉なものですね。
神々の言葉に耳を傾け、人々に伝える。
そんな私達の使命が、私達の力が、
人に害をなすような事に
なっている可能性があるなんて」
二重さんはそう呟き、眉を顰めながら
俺の傍を離れて行く。
七緒「………人は、罪深い生き物なんやろか……」
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作者名:冷泉 雪桜 | 作成日時:2020年9月29日 18時