佰玖拾肆 ページ35
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二重「“その神の正体は不明。
しかし目撃した時の政府、特別部隊の隊員は
その神を見ただけで失神や
戦意を喪失させてしまった。
正直、太刀打ち出来る相手ではありません。
現時点での打開策と言えば、例のカルト集団から
身を守る事だけでしょう”」
太鼓「ま、マジかよ………」
七緒「特徴だけ聞けば、その神は多分邪神に
分類されるだろうけど………」
秋間「七緒、その邪神は………
僕達、の……敵なのかい？神は、人を救う存在じゃ、
ない、のかい？」
七緒「神は………人を助ける存在ではないよ……
彼らは善悪の区別しようがない。
その概念がないからね………
神の行いは正しいとも、悪とも捉える事は
大体人間が決める事。
神々は、私達人に“きっかけ”を与えるだけ。
そこから運命切り開くか否かは、
人間しか出来ない。
邪神とは言え、必ずしも悪ではないんだよ」
まだ若い秋間には早かったかな。
いや、この知恵は俺の一族ならではの
ものだろうけど………
それにしても邪神が近頃の事件に関わっているのか。
ならば、Aもカルト集団に？
しかし3年前の話だ。どうにも辻褄が合わない。
邪神の名が分かれば、俺や二重さんなら
血縁上、交渉出来るとは思うけれど………
こんな所で自分の血に頼る事になるとは
思わなかったな。
蜂須「主、君の妹君も………
そのカルト集団とやらに？」
七緒「可能性は………あるけどね」
太鼓「“黒蝶”の目撃もまた関わりがありそうだな」
秋間「七緒………まだ妹さんを…………？」
七緒「諦めが悪い性分なものでね………
それにしても、その邪神と呼ばれる神が
妹を隠した可能性も出てきた訳だが、
そうなると本当に詰むね……」
秋間「とにかく、本丸の自衛を強化する
必要がありそうですね。
ｹﾎｯ………こほっ」
一期《！主殿、ご気分が？》
秋間「大丈夫………ちょっと咳が出ただけだから」
一期《直ぐに体を温めましょう。
申し訳ありません、七緒殿。我々はこれで》
七緒「嗚呼、私が引き止めてしまっていたかな。
体調には気をつけるんだよ、秋間」
秋間「うん、ありがとう」
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作者名：冷泉 雪桜
| 作成日時：2020年9月29日 18時
