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佰捌拾壱 ページ22










鶴丸「また、無茶な戦い方を
したんじゃないだろうな」


『過保護やなー。死なへんし、
攻撃とか避けなくても
勝手に治るんやからへーきやって。

その方が色々と都合が──』


鶴丸「!!そう、いう事じゃ………!ない、んだ」


『?』


鶴丸「………分からないか?
俺はまだいいさ、使われる事が
生業とする物だからな。
だがきみはそうじゃないだろう………!
きみは言ったな。元は人間だったと。
なら尚の事、自傷する行為をするな。

俺から見たきみは、
死にたがっているようにしか、みえん。
傷をわざとつけるような真似は止せと、
俺は言ったはずだ」









他の皆と、少し離れた距離で………鶴丸はそう言うた。
声が、震えているようにも感じた。
あの鶴丸が………乱れた様子で。

様子が、変や。









『鶴、丸………?どうか、したん?
何で………そんな。変やで………兄さん』


鶴丸「…………」

『うちらと逸れとる間、何かあったん?』


鶴丸「…………いや、すまん。
らしくない事を言ったな………」


『………死にたがっている、か。
あながち間違いやない。
うちは仲間を見殺しにした罪があるからな。
助けれんかった………

なのに、自分だけが生き残るこの呪いが、
嫌で嫌で仕方なかった。
何度も試した。色々と。でもあかんかったよ。
死ねへんかった』









心の何処かで………うちは、
願っていたかも知れへん。

死ねれば、皆と同じ場所に逝けるって。
でも罪がそれを許してくれなんだ。
それがうちに架せられた罰。


同じ場所には一緒に逝けない。
もうへとへとに疲れて、楽になりたくて。
でもまだ…………それが出来ない。






うちには僅かに、希望があるから。


まだ、償いを………許されるのなら、
その希望を救いたい。





























鶴丸。ごめんなぁ。

駄目な主で、ごめんなぁ………



うちが、この世界に鶴丸を………
貴方を………連れてきてしまったせいで、
鶴丸は未だにこの世界に縛られとる。

だから傷を作るんよ。
自分を許さへんように。罪を忘れないように。


助けたい。鶴丸………貴方を助けたいよ。
どんなに罪が重くなろうとも、
この身が灼かれようとも。









私の刀。

鶴丸、鶯丸………



最後に生き残った二振りだけでも、

うちは………助けたい。








『(鶴丸が、うちの事を忘れてくれて良かったよ)』









もう二度と、あんな思いをして欲しくないから。

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作者名:冷泉 雪桜 | 作成日時:2020年9月29日 18時

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