佰漆拾弐 ページ13
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蜘蛛《アハハハハハハハ!!
死ン、ダ死ンダ!!コレデ貴方ハ、ワタシノモノ。
ワタシヲミテ?ワタシヲアイシテ?》
燭台「あ、ぁ………」
僕のせいだ。青空君は僕の刀身で、
僕自身で、死なせた。
主は、彼女の気持ちを知りながら、
僕が主を遠ざけた………心を、壊させた。
妖魔になってまで、彼女は心を壊して………
それでも寂しさを埋めようと。
僕が、僕が、ぼくが、ボクガ………
その時。
ザンッ!!と、切り裂く音がした。
再び血飛沫が舞う。
その血は主のもので、
主の蜘蛛の足が、崩れた。
足を切断されたんだと、悟る。
そして、主の蜘蛛の足を切断したのは、
倶利伽羅だった。
倶利伽羅は僕と同様に、
蜘蛛の糸で拘束されていた筈だ。
燭台「く、倶利、伽羅………」
倶利「…………」
彼は、自分の左腕を自分で切断して、
拘束から逃れたようだった。片腕を失くしながらも、
彼は右手で本体を持って、そこに立っている。
血溜まりを地面に作りながら。
嗚呼。これが僕の最後の罪。
君に………主を斬らせた…………
君にだけは、させたくなかった、のに。
燭台切side〜end〜
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not,side
妖魔と化した審神者による殺戮は、終わった。
大倶利伽羅は大量出血により倒れ、
燭台切はただただ膝を付き、この惨状を目視している。
その時、バンッ!!と正門から入ってきた
数十名のスーツを来た人間が
遠慮なく入って来る。
彼らは時の政府、特別部隊。
緊急時に出動する、特別警備部隊である。
審神者への違反を察知した
夏田本丸所属の管狐による
通報によって、急遽派遣された精鋭であった。
状況を把握し、即座に動けない
大倶利伽羅と燭台切を拘束する。
上官「こ、れは」
隊員「上官、刀剣男士、
大倶利伽羅、燭台切光忠を捕縛しました。
妖魔と思われます大蜘蛛は
夏田本丸審神者である事に間違いないようです」
上官「………捕縛、ではなく保護だな。
どう考えても、被害者はその二振りだ。
酷いな、これは………以前にも
似たような例はあったが………」
上官と呼ばれた人間は冷静にその場の分析し、
隊員に指示をしていく。
その時、よく通る声が役人達の耳に届いた。
??《いやいや、すみませんね。
彼らは貴方方に渡す訳にはいかないのですよ。
せっかく“こっちに堕ちて”くれたのですから》
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作者名:冷泉 雪桜 | 作成日時:2020年9月29日 18時