†参佰漆拾捌† ページ9
Aside
“憎い……………憎い。
人間が、憎い……………”
憎悪の言葉を口にしながら、
タカラは泣いていた。
“ボクは、ちゃんと短刀の皆を守ったよ。
だから獅子王が迎えに来てよ……………”
“ボクはもっと、一緒にいたかった。
それだけだったのに”
“皆を言霊を使って縛る、あの人間が憎い。
ボクのトモダチを、ボクの主を折った人間が憎い。
壊さないと、殺さないと……………
皆、を、守らない、と”
“そうしたら、獅子王誉めてくれるかな？
また皆で遊べれるかな？”
悲願のような、祈るような言葉だった。
しかし、それを巻いて戻す術はない。
それはタカラも知っているはず。
付喪神であれば、尚更。
ただ、純粋に思っていただけだ。
共にありたかっただけなんだ。
『(小さな体から、大きな悲しみを感じる)』
ﾀｶﾗ《……………ふぅえっ………ひぐっ》
『獅子王様は、それを望んでいない。
でも君は、凄いと思う。
ちゃんと約束を守ったのだから。
ちゃんと、守るべき大切なモノを守れたのだから』
ﾀｶﾗ《！》
『大切な、思い出を守れたのだから』
なんて、優しい神様だろうか。
なんて純粋な神様だろうか。
待ち続けたタカラ。
こう言うとき人が出来る事は、
きっとこの哀れな祟り神の物語を
語り継ぐ事だろう。
忘れないことだろう。
タカラは涙をたくさん含んだ真っ直ぐな瞳で
私を見つめている。
そして、ふわりふわりと体が徐々に消え始めた。
『君が守ったものは、私がきっと継いでいくから』
ﾀｶﾗ《……………》
“主っ！！！”
嗚呼、誰かが私を呼んでいる。
帰らなきゃ……………私はまだ死ねない。
彼らの為にまだ生きなければならない。
優しい神様の手が、私の手を引いて導かれるように
私もまた意識をゆっくり手放した。
“獅子、王……………”
”ボクを、誉めてくれる、かな“
･
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冷泉 雪桜(プロフ) - 華音さん» 華音さん、コメントありがとうございます。誤字と脱字ですね、時間があったら読み返して訂正します。これからもよろしくお願いします (2019年12月17日 21時) (
レス) id: 18535e1a43 (このIDを非表示/違反報告)
華音(プロフ) - 初めましてこんばんは☆最初から読ませて頂きました♪とても面白く感情移入しやすいので涙をポロポロ流しながら読ませて頂きました☆ただ全体的に所々ではありますが誤字脱字が多く見られましたので御報告させて頂きますね。それではこれからも頑張って下さいませ (2019年12月17日 20時) (レス) id: 85eea2d6ee (このIDを非表示/違反報告)
冷泉 雪桜(プロフ) - たふるさん» たふるさんコメントありがとうございます。本編では回想などを使って、もう一度読み返して貰えるようになどと言った工夫してますね。楽しんでもらえて光栄です♪これからもよろしくお願いします (2019年12月8日 18時) (レス) id: 18535e1a43 (このIDを非表示/違反報告)
たふる - こんな素晴らしい作品久しぶりに読みました！一気読みしてしまいました．．．．もう、仕掛けが面白くてなんか勉強になりました(笑)ドキドキしたり、泣けたり次は誰だろう？とかもう楽しく読ませてもらいました♪いつまでも応援しております！長文&初コメ失礼しました♪ (2019年12月8日 17時) (レス) id: 3cde28d88e (このIDを非表示/違反報告)
冷泉 雪桜(プロフ) - 雪月花のとびうおさん» とびうおさんコメントありがとうございます。とびうおさんの作品も素晴らしいです。私もまだまだですが、これからもよろしくお願いします (2019年12月7日 23時) (レス) id: 18535e1a43 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：冷泉 雪桜
| 作成日時：2019年12月6日 22時
