【刀剣乱舞】その人間、縁を織ります

†参佰陸拾陸† “愛した記憶” ページ37

一振り目、獅子王side







獅子《俺の名は獅子王。
黒漆太刀拵も恰好いいだろ！
活躍すっから、いっぱい使ってくれよな！！》


??「……………嗚呼」

獅子《……………え、そんだけ！？》









前の主はそりゃあもう静かなやつで、
表情一つも変えない能面みたいな主だった。

……………いや、面はしていたから
顔は分かんないんだけど……………
人間らしくない人間だった。






＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿








獅子《なぁなぁー！あぁーるぅーじぃ！
暇だぁー！出陣してーよー！

そろそろ行かしてくれよー》


??「……………駄目だ。お前の錬度はまだ足りていない」


獅子《だからって遠征ばかりじゃ
つまんねーんだよー！

まだこの本丸も始まったばっかだろー？》







俺は主の最初の太刀。
その頃の本丸はすっげー静かな本丸だった。

でもまだ第二部隊しか解放してなかったから、
直ぐに出陣出来ると思ってたのに、

主は中々出陣をさせてくれなかった。
ずっと遠征ばかりで。









獅子《他の本丸に先に越されちまうぜ？
どうして出陣しないんだ？？》


??「……………効率がいいからだ」


獅子《……………え》


??「遠征である程度錬度を高め、
さらに資材を会得する。

刀装、鍛刀、手入れの資材を十分に
会得している頃には、人間の体にも馴染み、
動きやすくなる」


獅子《……………》









主は、決して資材を
無駄使いするような人間じゃない。
正確に、確実に敵を殲滅する為に、
状況を把握する能力、洞察力、観察力に優れていた。

悪い人じゃなかったんだ。
ただ、感情を一切表に出さないから、
誤解されやすいだけで……………









獅子《……………主って、物凄い見つめてくるよな》

??「観察する事で見出だせる事もあるからだ」

獅子《そりゃ誤解されるよな……………怖ぇもん》


??「……………この間子供を宥めようとした。
その時怖がられたが……………この目のせいか」


獅子《いや、その目じゃなくても
無表情で見つめられたら
子供じゃなくても怖ぇよ……………？》


??「……………」


獅子《……………まあ、俺は好きだぜ？主の目の色。
主の名前だしなっ！》







紅羽「……………」








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