【刀剣乱舞】その人間、縁を織ります

†参佰陸拾† ページ31

Aside








『ｯ！？』







な、に……………今の。
私は茂みの中、見つからないように
身を隠していた時、おぞましい悪寒を感じた。

鳥肌が凄くて、ヒュッと喉がなる。

何だったの、今の。
今までこんな気配を感じた事何て無かったのに。









『(この気配は、駄目な奴だ。
力が強い妖怪……………いや、神各に近い強い気配。

一体どこから？)』








気配は上手い事隠しているようだが、
力の制御が出来ていないような、中途半端なもの。

これも桜真の血筋の能力の一つかは知らないが、
明らかに違う気配が僅かに感じ取れた。
一瞬、だけだけど……………









『(どうしよ、気になる)』








呼ばれているような気がした。
この感じは何度も味わってきた。
こうして直接語りかけてくる妖怪や神は
強い者が多い。

答えてはいけない。


惑わされてしまう。









『皆、気づいて、ないのか……………？』









では、人にしか感じない類いのものか。
どうしよう、放って置いて良いのか分からない。
たまに妖気が禍々しくても
割かし害のない妖怪や神様はいるしな……………


でも放って置いたら駄目なものも多いのも事実だし。
困ったな……………今かくれんぼで
多分近くに男士達は居ない。


……………行くしか、ないか。
仕方ないので、私は枝を持って
地面にガリガリと陣を描き始める。

それから形代(人形の紙)に名前を書いて、
陣の中心に置いた後、手を合わせる。









『“我が身、鏡たる者よ──我が下へ来たれ。

守護者たる者の意を示せ。
我が意に従い、呼びかけに答えよ”』









詠唱を唱え終わると、形代の紙は燃えて灰となる。
この術は自分の式をこの場に呼ぶものだ。
燃える炎の中から現れる……………筈なんだが。









『……………来ない』









あんのクソ猫……………
本当に私の式何だろうか。

いくら私の事は嫌いでも、
緊急時の時くらい答えなよっ！！


井戸に落ちたときはちゃんと来てくれたのに！！
と言うか、答えないってありなの？

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