【刀剣乱舞】その人間、縁を織ります

†参佰肆拾壱† “穢れた心” ページ12

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和泉「あー、派手にやられたな………主」

『……………まあ』







私は自分の手当ての為に医務室に来た。
するとそこに丁度和泉守様とばったり会って、
和泉守様は傷だらけの私を見て驚いたようだったけど、
何かを察したように、気まずそうな顔をした。









和泉「悪いな、薬研のやつ呼べば良かったんだが、
今は遠征だし……………てか亀甲はどうした」


『小夜様の様子を見に行ってもらいました。
今は、ちょっと………情けない顔をしているので、
近侍の彼に、こんな顔を見せる訳には…………』


和泉「……………そうかよ、ちょっとこっち来い。
手当てしてやるから」


『いえ、これくらいは……………』

和泉「首ん所は見えねぇだろ？良いから見せろ」

『え、堀川様を呼ばないんですか？』

和泉「あんたは俺を何だと思ってんだよ…………」









手当て出来るんだ。←
てっきり“国広ー”って呼ぶのかと。
と言ったら多分怒るから、
言わずに黙って置く事にした。

和泉守様は手際よく私の喉の傷を
包帯を巻いて手当てする。







和泉「何があった？」

『……………』

和泉「……………言いたくなきゃ、別にいいが」

『……………に』

和泉「？」

『歌仙様、に……………私には“審神者は勤まらない”と』

和泉「は？之定が？」









私は事の経緯を全て話した。
和泉守様は私の話に耳を傾けながら、
話を聞いてくれた。

それから、喉の傷の次に、
傷だらけになった私の両手を手当てしていく。









和泉「……………まあ、之定の言う事は
間違っちゃいないな」


『ｯ………』


和泉「あんた、自覚はないが……………
自分の命を粗末に扱う癖がある。

端から見れば、死にたがっているようにしか見えない。
あんたは優し過ぎんだよ」


『優しい、か……………優しくはない、かな。
ただ、自己満足する自分が、嫌いなんだ』


和泉「自己満足？」


『何かをする度に、罪悪感を感じちゃうんだ。
私は綺麗な人間じゃないよ……………
綺麗な人間なんて、この世にどこにもいない。

言ってしまえば、貴方が人間を憎んでいた通りなんだ。
人間は……………弱く、臆病な生き物』









何度も見てきた。神様の死を。
神様が、目の前から消えていく姿を。
この瞳に映るものは、綺麗な物ばかり見る訳じゃない
むしろ………恐ろしい物しか映らない。

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