†参佰肆拾† ページ11
･
小夜「ｯ…………ふっ、うっ………ううっ」
『！』
その時、小夜様の両目から
ポロポロと涙が流れ落ちた。
溢れる感情が、涙と言う形で溢れている。
そして、歌仙様に噛みついていた口を
ゆっくりと離した時、
その隙を見て、歌仙様がトンッと
平手打ちで小夜様を気絶させる。
その様子を見届けた瞬間、
空気の緊張が解れた。
蜂須「危なかったな………
主、傷を手当てしよう」
歌仙「……………」
亀甲「？歌仙君？」
すると歌仙様が私の所までやって来ると、
手を大きく振りかぶって……………
パンッ！！
『……………ぇ』
歌仙「……………」
私の、頬を打った。
一瞬何されたか分からなかった。
恐る恐る、私は右頬に手を置くと、
ヒリヒリとした痛みが襲ってきた。
目を見開いたまま、私はもう一度歌仙様の顔を見る。
歌仙様は、今までにないくらい怒っていて……………
少し、怖くなった。
『歌、せ……………』
蜂須「歌仙っ、何をっ」
歌仙「……………何故、助けを呼ばなかった？」
『たす、け？』
殺気にも似た眼光が、私を射ぬく。
物凄く怒っている……………
どうして？私は、ただ…………
傷つけたくなかっただけなのに。
歌仙「君の事だ。僕らを思ってくれていたんだろうが、
助けを呼ばなかったのは本末転倒だ。恥を知れ」
『で、も』
歌仙「君は何者か？審神者だ。
僕らを率いる、頭だ。
審神者である自覚を持て。
己の命よりも大切に思う心は、
確かに強く雅で美しい心だ。
だが……………君のそれは違う。
己の命を、軽く見るな。
君は自分の命を軽く見すぎている。
そんな君に、審神者は勤まらない……………！」
『！！』
歌仙「……………お小夜は
手入れ部屋で休ませる。後を頼むよ。
“君”も、頭を冷すんだ」
そう、言い残して、彼は小夜様を抱えると
静かに部屋を後にした。
やたら辺りが静かで、
私の心臓の音しか聞こえなかった。
歌仙様…………最後、
“主”………とも、呼んではくれなかった。
†参佰肆拾壱† “穢れた心”→←†参佰参拾玖† “忘れない憎しみ”
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冷泉 雪桜(プロフ) - おピノさん» おピノさんコメントありがとうございます。これからもよろしくお願いしますね(*´ー｀*) (2019年12月5日 13時) (
レス) id: 18535e1a43 (このIDを非表示/違反報告)
おピノ(プロフ) - はじめまして！最近夢小説にハマって主様の作品に辿り着きました！とても面白かったので一気読みさせて頂きました。続き楽しみにしています！ (2019年12月5日 11時) (レス) id: 2ba0bb6bb8 (このIDを非表示/違反報告)
冷泉 雪桜(プロフ) - お気に入り様が500人突破いたしました。皆様本当にありがとうございます。これからもよろしくお願いします (2019年12月4日 7時) (レス) id: 18535e1a43 (このIDを非表示/違反報告)
冷泉 雪桜(プロフ) - 雪月花のとびうおさん» 神様の御用人、最高ですよね！語り合える方と巡り会えて嬉しく思います。黄金達との絡みもいいですね。出来たらいつかやりたいと思います (2019年12月4日 7時) (レス) id: 18535e1a43 (このIDを非表示/違反報告)
雪月花のとびうお(プロフ) - 初めまして、こちらの作品を見つけ、一気読みさせて頂きました！私も神様の御用人、大好きなんです！いつか黄金たちが出ることを期待しております(笑) (2019年12月3日 21時) (レス) id: b36649e14a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：冷泉 雪桜
| 作成日時：2019年11月20日 19時
