†弐佰玖拾伍† ページ6
･
髭切「ここにいる皆、傷ついている。
でも僕はその痛みが分からない。
記憶が無いからか、時々弟との間に距離がある。
あの子は優しいからね。全部背負ってしまうから、
少しでも分かってやりたいんだ。
それに、どんな風に僕らは
共にいたのか……………興味がある。
ねえ、主？」
『……………』
髭切「僕は戦いたいんだ。僕らは刀。
斬ることしか分からない。
だからこそ出来る事もある。
それとも主は、僕を使ってはくれないのかい？」
変わらない笑顔。
でもその瞳は悲しみに近い物を感じる。
そうか、髭切様は私と同じ立場だったんだ。
なにもしてあげれない無力さと、虚無感。
髭切様は、それを分かってか知らずか
私に頼ってくれた。
私を、髭切様は信じようとしてくれているんだ。
私はそれに答えなければならない。
『……………私は、貴方の気持ちも
分かっているつもりです。
でも膝丸様の失いたくない気持ちも知っている。
……………御用は受けましょう。
でもどうか無理はしないで……………
次に貴方を失えば、膝丸様は───』
髭切「心配性だね、そんなに
僕は弱いと思われてるのかな」
『……………お願いします』
髭切「……………参ったなぁ。
うん、分かったよ」
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
『(膝丸様は今は出陣中……………
帰ってくるまでには成るべく御用を達成したいけど、
難しいな……………)』
御用は受けたけども、
一体どうやったら出来るのだろうか。
記憶……………彼はもう前任の髭切ではない。
私の霊力で顕現した髭切だ。
記憶がないのは無理もない。
なんか、凄く途方もない御用を
受け入れてしまったのではと、
冷静になってそう思い始めた。
どうしたらいいのだろうか。
髭切様には期待させてしまったから、
断るわけにはいかないし……………
小烏「妙案は浮かんだか？」
『いいえ、どうすればいいかさっぱり』
小烏「だろうな」
『……………なんか、楽しんでませんか』
小烏「いやいや、父は子を見守るものだ。
成長する姿を見届けるもまた一興」
上機嫌に袖で口元を隠しながら、
小烏丸様は笑った。
……………楽しんでるじゃないか。
彼はちょっと苦手かも知れない。
考えている事が全て
見透かされていそうで怖いんだが。
何がしたいのかわからないし……………
今剣様、どこにいったの……………
助けてほしいんだけど。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 388人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「刀剣乱舞」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
冷泉 雪桜(プロフ) - ％さん» 訂正しました！指摘ありがとうございます！！これからもよろしくお願いします！ (2019年11月15日 22時) (
レス) id: 18535e1a43 (このIDを非表示/違反報告)
％ - いつも楽しく読ませて頂いております！誤字があったので、お知らせしますね。参佰陸の「見つけます」が「見つめます」になっています…。更新頑張ってください！応援してます！ (2019年11月15日 18時) (レス) id: 02aec80553 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：冷泉 雪桜
| 作成日時：2019年11月11日 7時
