+蝶を待つ鶯のお話+参 ページ45
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鶯丸「ﾊｧ……………ﾊｧ……………」
その言葉が、どれほど助けとなったか。
主は知らないだろう。
どれほど、支えとなったか。
鶯丸「ｸｯ……………」
陸奥「鶯丸っ！」
鶯丸「余所見をするな、陸奥守っ！」
陸奥「！？」
鶯丸「戦いに専念しろ。そして、必ず生き残れ。
命を、大事にしろっ！！」
絶望的な戦いの最中、力が満ち溢れた。
俺は帰らねばならない。
主が待つ、あの本丸へ。
主が迎えるあの本丸に。
帰って、待たねばならない。
例え、折れたとしても……………
“鶯丸”
鶯丸「(不思議な物だ。力が出る。
まだあったのか。お飾り刀だった俺にも、
戦い、守る本分が……………)」
まるで、生きているようだ。
いや、確かに生きていたのだ。
思う存分に刀を振るう感覚。
生きた心地がした。
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
鶯丸「(紅葉……………)」
戦い続け、敵は殲滅出来た。
……………だが、皆折れてしまった。
残ったのは俺だけだった。
朦朧とする意識の中、見たのは見事な紅の葉。
大包平の、色。
生き生きとした真っ赤な葉が印象的だった。
鶯丸「(ここまで、か)」
死は……………怖くは無かった。
信じていたからだ。
迎えがくる、その時を。
折れたとしても……………俺の御霊は、
きっと本霊だけでなく、あの本丸へ帰るのだと。
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
大包「しっかり掴んだか！」
大典「引き上げてくれ」
蛍丸「りょーかい」
面影「が、がんばおっ」
大包「よし、では引き上げるぞ」
井戸から主と大典太、
ソハヤを引き上げる際にふと思い出した。
主は、夜蝶にどこか似ている。
手を伸ばし、迎えに来てくれた。
夜蝶は、約束を守ってくれたのだな。
大包「おい！鶯丸っ！！
何故茶をすすっている！？
お前も手伝えっ！！！」
鶯丸「面影と蛍丸がいれば直ぐだろう。
それに童子切ならその程度容易いぞ？
なんならソハヤと主の式も同時に引き上げる」
大包「何っ！？おい、ソハヤノツルギ！
主の式を抱えてお前も綱に掴まれ！！」
ｿﾊﾔ「おいおい………無茶するなって」
蛍丸「まあ、出来なくはないけど」
面影「鶯、嘘つき……」
夜蝶、お前のお陰で大包平に出会えた。
新たな主に出会えた……………
お前の意思は、ちゃんと継がれている。
これが人の力なら、人は強いものだな。
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冷泉 雪桜(プロフ) - ％さん» 訂正しました！指摘ありがとうございます！！これからもよろしくお願いします！ (2019年11月15日 22時) (
レス) id: 18535e1a43 (このIDを非表示/違反報告)
％ - いつも楽しく読ませて頂いております！誤字があったので、お知らせしますね。参佰陸の「見つけます」が「見つめます」になっています…。更新頑張ってください！応援してます！ (2019年11月15日 18時) (レス) id: 02aec80553 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：冷泉 雪桜
| 作成日時：2019年11月11日 7時
