+蝶を待つ鶯のお話+弐 ページ44
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夜蝶「……………どう、したの？
戦闘服、なんか着て……………
どこか、行くの？」
鶯丸「これから遠征でな。暫くは戻れない」
夜蝶「……………そう」
鶯丸「なに、資源があれば事も小さくなる。
主は病を治すことに専念してくれればいい」
体を起こそうとした主を制し、
俺が頭を撫でてやると主は少し安堵した表情になるが、
ふと口を開く。
夜蝶「鶯丸…………どう、したの？」
鶯丸「ん？」
夜蝶「悲し、そうよ？」
鶯丸「！」
夜蝶「あな、た……感情豊かな、方じゃ
ないで、しょ……………？珍しいもの、見たわ。
ﾌﾌｯ……………ちょっと、得した、わね」
……………主には、どうやら隠せそうにないな。
自分でも分からなかった感情を、
主は容易く見破ってくる。
不思議な人の子だ。
鶯丸「……………俺は元より戦には向かない。
それでも俺は良かったと思っていた。
……………が、今だけは………少しだけ
実戦刀であればと、思ってしまった」
夜蝶「……………」
鶯丸「だがまあ、こんなお飾り刀でも
出来る事はあるさ。
俺はお前の物だ。必ず役立って見せよう。
例え刀としての本分が欠けていても……………
お前の為に刃は振るおう」
夜蝶「うぐ、いす……………」
鶯丸「主は以前、待つのが嫌いだと、
“どこへ行こうと迎えに行く”と言っていたな？」
夜蝶「……………ええ」
鶯丸「なら、今一度言ってくれないか？
“迎えに行く”と……………もう一度」
……………何故か、二度と会えなくなるような気がした。
この手を離せば、お前は消えてしまうのではと。
夜蝶は驚いたように目を見開いている。
何故そう口にしてしまったのか。
嗚呼、らしくない事を言うモノではないな。
夜蝶「ええ、勿論」
鶯丸「！」
夜蝶「迎えに、行くわよ……………
帰れなくなったとしても、必ず。
まだ、大包平にも、私会ってないし
貴方がいなくなったら………つまらないもの」
鶯丸「主、」
夜蝶「約束する、わ。だから……………待って、なさい。
貴方が帰って来た、その時。
一番に、迎えに行ってあげるから」
その言葉が、深く深く突き刺さった。
嗚呼、そうだな。お前はそう言う人間だった。
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冷泉 雪桜(プロフ) - ％さん» 訂正しました！指摘ありがとうございます！！これからもよろしくお願いします！ (2019年11月15日 22時) (
レス) id: 18535e1a43 (このIDを非表示/違反報告)
％ - いつも楽しく読ませて頂いております！誤字があったので、お知らせしますね。参佰陸の「見つけます」が「見つめます」になっています…。更新頑張ってください！応援してます！ (2019年11月15日 18時) (レス) id: 02aec80553 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：冷泉 雪桜
| 作成日時：2019年11月11日 7時
