+蝶を待つ鶯のお話+ ページ43
鶯丸side
??「……………」
鶯丸「主、焦る気持ちは分かるが、
もう少し落ち着いたらどうだ？
お前らしくもない」
遠征に行く前……………
顔色一つも変えなかった主ではあったが、
その時の主は明らかに焦っていた。
??「資源が足りない。これでは駄目だ。
力をつけることが出来ない」
厚「大将、俺らはまだ大丈夫だぜ！
編成してくれ、遠征先でがっぽり
稼いでくるからさ！！」
力を求めるようになったのはいつからか。
今にも狂いそうな狂気にも感じる瞳は、
俺には焦りにしか感じなかった。
鶯丸「まあ、あまり思い詰めるな。
焦っても仕方ない。ここから……………」
??「仕方ない？お前はこの本丸の堕落を
どうでもいいとでも言うのか？」
鶯丸「！」
??「お前は所詮美術品だ。
戦いに置いても、戦いには向かない。
在るだけの刃……………」
当時の主は、追い詰められていたようだ。
気に触れるような事を、
俺は言ってしまったのだろう。
??「ならばお飾りらしく、
口を閉ざし、愛想よく振る舞ったらどうだ」
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
鶯丸「夜蝶、入るぞ」
遠征に行く直前、俺は彼女の部屋へとやって来た。
そこには肌を青白くさせ、
静かに眠る夜蝶の姿があった。
傍らには大典太もいる。
大典「鶯丸か」
鶯丸「様子はどうだ？」
大典「駄目だ。日に日に衰弱している」
鶯丸「そうか………お前もずっとそこにいるだろう。
少し休むといい」
大典「だが……………」
鶯丸「大丈夫だ。少しばかり離れても
主は死なんさ。夜蝶がしぶといやつだと
お前も知ってるだろう？」
大典「……………分かった。ソハヤを呼んでくる。
それまで頼めるか？」
鶯丸「嗚呼、拝命した」
大典太はそう言って部屋から出ていった。
それと共に、もぞもぞと主は苦痛に顔を歪めた後、
ふっと目を覚ました。
鶯丸「主、起こしたか？」
夜蝶「……………へ、ぃき」
鶯丸「具合はどうだ？」
夜蝶「問題、ないわよ………こんな、の」
夜蝶はそう言って笑った。
その姿があまりにも痛々しかった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 388人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「刀剣乱舞」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
冷泉 雪桜(プロフ) - ％さん» 訂正しました！指摘ありがとうございます！！これからもよろしくお願いします！ (2019年11月15日 22時) (
レス) id: 18535e1a43 (このIDを非表示/違反報告)
％ - いつも楽しく読ませて頂いております！誤字があったので、お知らせしますね。参佰陸の「見つけます」が「見つめます」になっています…。更新頑張ってください！応援してます！ (2019年11月15日 18時) (レス) id: 02aec80553 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：冷泉 雪桜
| 作成日時：2019年11月11日 7時
