†参佰弐拾玖† ページ40
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大包「何？大典太がいるだと？」
シキ《【私と式で何とか結界術を破ってみるので、
結界が解けたら引っ張りあげてくれませんか】》
鶯丸「大典太とソハヤは
そんな所にいたのか。前田が喜ぶな」
蛍丸「いいよ」
面影「【任せて】」
とりあえずさっきのメンバーで
どうにか出来そうなので、任せる事にした。
この結界術は水を媒として構成された術。
特に上位ものの術なので、
ちょっと難しいかも知れないが
やってみなきゃ分からないし、
いつまでもここにはいられない。
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
蛍丸「深いね」
面影「【蛍丸、あまり覗き込んだら危ない】」
外から見た井戸の中は、
やっぱり普通の井戸水にしか見えなかった。
しかし異様な気配は確かにしている。
私の式、言う事を聞いてくれるといいけど……………
『(頼むよ…………)』
内心そう祈りながら、
私はガリッと自分の指を噛んだ。
チリッとした痛みが走り、
親指の先からじわりと血が垂れた。
それから砂利の上に血を決まった位置に落とし、
最後にウエストポーチから筆を取り出して、
血で手のひらに文字を書いて、手を合わせる。
『“流れ流れるや、水流の如し。器たるや水の音。
器汚す者、はじかれ申せ───”』
詠唱を唱え終えた瞬間、今まで静かに波打っていた天上の水面が崩れ始めた。
霊力の流れが変わったのが分かる。
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
シキ《にゃあ》
次に目を開けた時、目の前には私の式猫がいて、
じっとこちらを見つめていた。
空を再び見上げた時、青空が見えて、
こちらを覗き込む刀剣男士達の姿が見えた。
天上の水面はもうない。
結界術は上手くいったようだ。
大典「結界が、解けたか」
大包「おいっ！！！！大典太っ！！！
引き上げてやる、出たら勝負しろっ！！！」
面影「審神者。今縄、おおすよ」
鶯丸「大包平、声がデカい。響くだろう」
蛍丸「ちょっと待っててー。えいっ」
すると空から丈夫そうな縄が落ちてきた。
これを使えって事だろう。
私は成るべく大きな声でお礼を言うと、
縄を拾って掴んだ。
†参佰参拾†【水鏡の章】“終”→←†参佰弐拾捌† “井戸の外へ”
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冷泉 雪桜(プロフ) - ％さん» 訂正しました！指摘ありがとうございます！！これからもよろしくお願いします！ (2019年11月15日 22時) (
レス) id: 18535e1a43 (このIDを非表示/違反報告)
％ - いつも楽しく読ませて頂いております！誤字があったので、お知らせしますね。参佰陸の「見つけます」が「見つめます」になっています…。更新頑張ってください！応援してます！ (2019年11月15日 18時) (レス) id: 02aec80553 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：冷泉 雪桜
| 作成日時：2019年11月11日 7時
