†肆拾参† ページ4
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稲荷《しかし、人の子が
時の支配者となったのは驚いたね》
『でしょうね…………大国主様は怒ってらっしゃいます？』
稲荷《さあね。私は奴とはそう関わりは無いからな。
とは言え、君は大丈夫かな？
私の神使から聞いたが、半端強制的ではないかね》
ええ、ごもっともですが、
生憎私は家を失って借金まみれになった身であって、
借金返済をしてくれた時の政府には
頭は上がらなくて、本丸を家にしているので、
全く苦には思っていない。
(殺されそうな身でもあるけど)
と、答えると
“つくづく報われないな、君は”
“神に好かれた体質でありながら…………”とか
言って、稲荷様は口元を袖で隠して
哀れみの目を向けてきた。
…………失礼な。
稲荷《君はここで過ごして、満足かね？》
「「「ｯ！！」」」
稲荷《私ならば、現世に君を帰せるが》
その時彼女はそう言って、刀剣達に視線を移した。
彼らは少し不安そうに私を見つめる。
小狐様だけは真っ直ぐと動じず
稲荷様を見つめていたが。
『…………いいえ。私は彼らの願いを叶えていない。
帰るつもりはありませんよ』
稲荷《…………そうか。
君が言うなら私は何も言わないよ。
嗚呼、そうだ君に土産だ。
私が祀られている社の参道にある
伏見のいなり寿司だ。
小狐丸、君にもあげよう》
小狐「おお！大好物じゃ。
いただきまする、母君ど、の…………」
乱「(母君って言った)」
五/前「「(母君って言いました…………)」」
薬研「母君、ねぇ？正しく、小狐…………」
小狐「………………」
その時、小狐様はピシッと固まって動かなくなる。
薬研様がニヤニヤしながら頬杖ついて彼をからかうと、
小狐様は一番大きないなり寿司を無言で頬張っていた。
あ、何か可愛い。
稲荷《ﾌｯ…………私を母とは、悪くはないね。
ではおいとましよう。
九重。これでも私は豊作の神だ。
仮とは言え、審神者として就任した君に
細やかながら就任祝いを置いておくよ》
『え、ああ、ありがとうございます』
稲荷《小狐丸。また機会もあるだろう。
次に会うときは戯れに、狐と踊るとしよう》
小狐「！」
フワッと彼女はその姿を狐と化け、
あっと言う間に消えてしまった。
ふと庭の方を見たら、大きな俵が五つも
いつの間にか置いてあった。
さ、流石は豊作の神…………
米をあんなにくれた。
なんと太っ腹な…………いい知り合い持ったなぁ。←
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冷泉 雪桜(プロフ) - ブドウ農家の一人っ子さん» 薄桜鬼からすっとんで来てくれてありがとうございます！薄桜鬼の方がネタ切れになって中々進めれる事が出来ませんが、これからもよろしくお願いします！ (2019年8月28日 12時) (
レス) id: 18535e1a43 (このIDを非表示/違反報告)
ブドウ農家の一人っ子 - 薄桜鬼のほうからとんできて一気読みしました・・・冷泉さんの作品は控えめに言ってどれも神ですね(語彙力の喪失) これからも応援しています！！ (2019年8月27日 20時) (レス) id: 70ec3f117a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：冷泉 雪桜
| 作成日時：2019年8月20日 1時
