†伍拾捌† “空色” ページ19
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??「国広っ!おいっ!国広!!」
この声は、和泉守様だ。
体が動かない…………雨が降ってるのか、
倒れている私は体温をどんどん奪われて。
くるしい……
和泉守様が焦るような表情でこちらを見ている。
多分これは堀川様の視点。
私のからだと堀川様の体が共鳴してるんだ。
和泉守様は酷く顔を歪めて、
何度も“私”と言う“堀川様”を呼んでいた。
応えたいのに、出来ない。
“兼、さん…………”
“兼さんが、僕を呼んでる”
“起きなきゃ…………僕が兼さんを、助けるんだ”
“そんな顔、らしくないよ”
“ほら、ちゃん…………と”
何…………?何を伝えようとしてるの?
何を伝えたいの?
そう問いかけても、答えは帰ってこない。
ただ、空が泣いていて、
誰かの涙が落ちる音がした…………
波紋が広がり、波紋が消えたその時。
どうしてか、体は急に軽くなった。
浮上する…………意識が、戻る。
_______________
『ん…………』
目を開けると、見慣れた天井がそこにはあって、
首だけ動かすと自分の部屋だと言うのが分かった。
体がちょっと重い…………でもそれ以外は何ともない。
あれからどうしたんだろ。
布団から起き上がってぼんやりと考える。
布団…………二振りが敷いてくれたのかな。
そしてふと横にある姿鏡を見た時だった。
『は、』
思考が停止した。
鏡に写る私の髪と瞳の色が違ったのだ。
眼が蒼い…………それに私の髪は蒼黒の筈だが、
茶色に近い黒になっていた。
どうなってんの…………
_____________
歌仙「で、堀川国広に触れたらそうなったと」
燭台「………………成る程ね、事情は分かったよ」
『はい…………』
しばらく唖然としていた私だったけど、
私の部屋を訪れた歌仙様と燭台様に見られて、
二振り共私を見て物凄く驚きすぎて
手に持っていたずんだもちを落としかけていた。
そんな二振りに事情を説明して、
ようやく一息入れたのである。
歌仙「体は何ともないのかい?」
『少し気だるいですが…………』
燭台「それにしても…………君はよく倒れるね」
『ええ、小さい頃から倒れやすくて。
よく変なものに好かれてしまう体質らしく』
燭台「確かに、そんな良い匂いがしたら
変なものがついて来そうだ」
“今度貧血にいいメニューにしようね”と
燭台様は笑って言ってくれた。
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冷泉 雪桜(プロフ) - ブドウ農家の一人っ子さん» 薄桜鬼からすっとんで来てくれてありがとうございます!薄桜鬼の方がネタ切れになって中々進めれる事が出来ませんが、これからもよろしくお願いします! (2019年8月28日 12時) (レス) id: 18535e1a43 (このIDを非表示/違反報告)
ブドウ農家の一人っ子 - 薄桜鬼のほうからとんできて一気読みしました・・・冷泉さんの作品は控えめに言ってどれも神ですね(語彙力の喪失) これからも応援しています!! (2019年8月27日 20時) (レス) id: 70ec3f117a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:冷泉 雪桜 | 作成日時:2019年8月20日 1時