捌拾参 ページ4
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『その先は神の領域。神でしか行けない場所。
兄さん達は行けると思う』
切国「あんたは、どうするんだ」
『あ、心配してくれとるん？優しいなー』
鶴丸「おい茶化すな、きみも一緒だぞ？」
『ふふっ、大丈夫。言ったやろ？
引っ掻き回すん、嫌いやないでってな？
うちは中々しぶとい鬼や、ってのが売りやねん。
うちは死ぬ事はないからへーきへーき』
鶴丸「………」
彼女はそう言ってヒラヒラと手を振った。
………上手いこと言いくるめられたような感じだった。
死ぬ事はないだと？確かに普通の人間よりかは
ずっと体は頑丈かも知れないが………
その言葉を聞いて、俺は黙る事しか出来なかった。
その先の言葉を告げても、
今のように避けられてしまいそうだったからな。
その時、手を振る彼女の腕をたまたま見ていたが、
彼女の腕には赤い刺青のような物が刻まれていた。
赤い花の模様に、赤い蝶がある。
？何だ………あれ。あんなものあったか？
毒々しく、そして血のように赤いそれは
不気味な程、美しかった。
そんな俺の視線に気づいたのか、
はたまた気づかずの偶然か。
Aはサッと腕を引っ込めた。
『次の都は“菊ノ都”………
ここも結構比較的に平和何やけど………
うちや兄さん達には多分容赦ない都かも知れへん』
切国「今更な気もするが、どういう事だ」
『この都は三大都を除いて、最も栄えとる都で、
最もその都の頭領の頭がトチ狂っとる。
それから最初に警告しとく。
隙きを見せたらあかん、言葉を信じたらあかん。
信じるなら、ここにいる自分らを信じて。
そしてこの先からは、流石にうちも保証出来へん。
この幽世から出ようとした仲間は、
次の都でかなり殺された』
“とにかく、生き残ることを考えて”
“この世界から、出たいんやったら”
鶴丸side〜end〜
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作者名：冷泉 雪桜
| 作成日時：2020年7月21日 18時
