佰肆 ページ25
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切国「！見ろ、何かある」
それから、歩き進んでしばらくした時、
切国の兄さんが何かを見つけたようやった。
彼の視線を辿って見てみると、
そこには祭壇があった。
不気味な祭壇やった。燭台が幾つか建てられとって、
鏡が立てかけられとる。
鏡はだいぶ古いやつで、銅鏡っぽかった。
燭台「…………？ねぇ、何か聞こえないかい？」
鶴丸「ん？何か聞こえるか？」
燭台「“呼んでいる”、ような………
笛みたいな音だよ。
何だろう、聞いてて凄く不快感のある音。
それから………」
切国「それから、何だ？」
燭台「………囁いて、来るような」
“生き残りたいかえ？”
「「「！？」」」
『！！(蛇赦………っ)』
燭台の兄さんが呟いた時やった。
突如として、蛇赦の声がした。
同時に笛の音色が聞こえてくる。
不快感を拭えない、嫌な音。
酷い音や。音色自体は不気味な程、
美しい旋律を奏でとると言うんに。
“一つ、教えてやろう。
うぬらの中に、一匹裏切り者がいるぞ”
“クッフフフ………殺人鬼がいるぞ？”
“殺さなければ、内部から殺されるぞ”
“生き残りたければ、その鏡を使え。
鏡は真実を写すもの。鏡に写った姿が誠の姿”
“さあ、内部にいる妾が寄こした
裏切り者を見つけると良い”
“さすれば、生き残る道も切り開けよう”
そして、その声は途絶えた。
それと共にあの笛の音色も聞こえなくなる。
………これは、洗脳か？
またあからさまに怪しいもんを……
うちは鏡を見た。
大きな銅鏡の中にはうちと兄さん達が写っとる。
けど、そこには明らかに違う姿で写っとる者がいた。
Aside〜end〜
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作者名：冷泉 雪桜
| 作成日時：2020年7月21日 18時
