佰壱 “神の気まぐれ” ページ22
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《《仲間が食われたっ！！》》
《《どうなっているんだっ！？
賞金は！レースはどうなってんだ！？》》
《《菊の頭領の………気まぐれだと言うのかよっ》》
獣道を通って、正規ルートに戻る。
先の道では下級妖怪がざわめいて顔を青くしとった。
このレースを知らん参加者ばかりや。
しゃあないけどな。知っとるのうちだけやし。
切国「この先にも、同じ様な難関がある訳か。
進むにつれて、あの参加者達は
殺し合いになりそうだな。
己が生き残る為に」
一期「こんな場所に、後藤達も居るんでしょうか。
あの子達に何かあったら………！」
鶴丸「気持ちは分かるが一期、
まずは自分が助からなければ探しにも行けん。
今は進むしかないだろう」
一期「ｯ…………」
《《くそっ！冗談じゃねぇぞ！！
なにがレースだ！俺は降りるっ》》
そん時、一匹の妖魔がそう言うて、
場外へと出ようとしとった。
その妖魔に賛同した他の妖魔らが次々と
一匹の妖魔に着いていく。
それに気づいた鶴の兄さんが
彼らを呼び止めた。
鶴丸「待て、きみら。何処へ行こうとしている。
場外からは出るなと、蛇の妖が言っていたろう？
早とちりは命を奪うぜ」
《《何だお前………！？つ、付喪神！！》》
鶴丸「殺戮のレースだ。
場外と出たら何されるか分からない。
ここは大人しく参加した方が見の為だと思うぞ」
《《ｹｯ………神様気取りかよ。
これだから半端に堕ちた神々は。やってられるか。
お前みたいな奴の言うとおりにするのも癪だぜ》》
そう言うて、一部の妖は正規ルートから逸れる。
瞬間………
ドスドスドスッ！！
『！！』
鶴丸「…………俺は止めたんだがな」
《《ぁ、………が、》》
無数の鋭利な槍がどこぞから降り注いで、
その妖魔らを全て皆殺しになる様子を見た。
鶴の兄さんは静かに止めようとして
伸ばされていた手を下ろす。
燭台「外に出れば串刺しか。
どうなるかなと思っていたけど、
流石にあれは防ぎ切って逃げ出せないね」
切国「おい燭台切。他人をそんな風に………」
燭台「………人じゃない。妖魔だよ。
僕は他の妖が死のうが興味ない。
効率よく生き残る為の策を考えていただけさ」
切国「！！」
『………』
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作者名：冷泉 雪桜
| 作成日時：2020年7月21日 18時
