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傘を傾けながら、私は彼に呼び掛ける。
するとフードで見えなかった
彼の素顔が見えた。
…………金色と黒のオッドアイだ。
私と同じように彼の瞳は左右ちがう。
目は鋭く人を殺せるようなそんな瞳。
??「誰だ…………」
『………ごめんなさい。
此方の事情で無闇に名乗れない』
??「あ？なんだそりゃ………」
『あなたこそ、こんな所で何してるの？
随分……傷だらけ』
??「触んじゃ、ねぇ！」
バシッ
と、乾いた音が響いた。
手を弾かれてしまった。
そんなに嫌だっただろうか。
でも本当に傷だらけだった。
彼自身も弱ってる。
…………気づいてしまったからには
放って置けない。
『…………分かった。でも、傷は見せて。
そのままだと死んでしまう』
??「いいから放っとけよ………
こんな傷はどうってことねぇ」
『充分深傷だよ』
??「………お前、何でそこまでするんだ？
怖くねぇのか？俺が」
『………怖いと言ったら嘘になる。
私は“あなたを知らないから“
でも、あなたはそのナイフを使って
私を殺そうとしてない。殺意がない』
??「…………！」
『腕についた血は、あなたのじゃないでしょ？』
そう言うと彼は自分の腕を見た。
そこにある血は、今流れ出ている血とは別に
黒く変色して、固まっている。
この雨の中でも落ちない、血の跡があった。
手元にあるナイフもそう。
血が固まっていると言うことは、
誰かを殺した時に付着した血と言うことだ。
彼ならこの距離でも私を殺せるだろう。
でも彼には殺意がない。
まあ手が動かないだけかもだけれど。
??「…………嗚呼そうだよ。
俺は人を殺した。人を殺すのが好きな殺人鬼だ。
これでちったあ俺の事が分かっただろ？
だから…………」
『それは過ぎた過去でしょ？
私はまだ本当のあなたを知らない。
性格も分からない。だから何も言えない』
??「…………そうかよ」
『………私が今住んでる所、すぐそこだから
歩けるようなら着いてきて。
歩けないようなら私が支えるから』
そして私は道端にいた殺人鬼を拾った。
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零華 - 度ストライクに大好きです！！2020年も読ませてもらってます！続きが見たいです。頑張って！( ＞Д＜；) (2020年3月27日 0時) (
レス) id: f56491ae0c (このIDを非表示/違反報告)
冷泉 雪桜(プロフ) - 朧さん» 返信が遅れました！今更ながらコメントありがとうございます。これからもよろしくお願いします(*´∇｀*) (2018年10月22日 16時) (レス) id: 18535e1a43 (このIDを非表示/違反報告)
朧 - 面白かったです！これからも頑張って下さい！ (2018年9月22日 23時) (レス) id: f7aedc391d (このIDを非表示/違反報告)
冷泉 雪桜(プロフ) - キャンディットさん» キャンディットさんコメントありがとうございます！亀更新ですがこれからもよろしくお願いいたします (2018年9月11日 23時) (レス) id: 18535e1a43 (このIDを非表示/違反報告)
キャンディット(プロフ) - 文章がすごく好きです！！続き、楽しみにしています！！ (2018年9月11日 6時) (レス) id: 6ed818cf7f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：冷泉 雪桜
| 作成日時：2018年9月10日 22時
