:*:･殺戮ノ天使ト不殺ノ悪魔･.:*:

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『………そうだった』







私は目の前で眠る殺人鬼を見て
ようやく思い返す。

彼がここに来て三日目の朝。
今まで気にしてなかったけど、
傷の様子を見るために彼が着ていたパーカー、
引き裂いてしまっていた。

道理で寒がる訳だ。くしゃみも出てたし………
(なんで気づかなかったんだ)









「いっ………ぷしっ！！！」

『………(まあ………)』


「痛ってぇな………！
ﾁｯ傷口が痒いしよ………！くそが！」


『(あの回復力だから………)』









彼なら大丈夫かと、
無意識に思ってしまったのかも知れない。

そこまで考えて流石に申し訳なくなってきた。
手元にある彼が着ていたパーカーを改めて見た。

繕っても………これは直せない。
と言うか私は裁縫は得意じゃないしな。
これは弁償しないとだよね…………

風邪引かれて悪化されても困るし。









『行くしかない、か………』

「あ？どっか行くのか？」


『ええ。ちょっと買い物に。
あなたをここに置くのは傷が癒えるまで。

それまではここでしばらく過ごすし、
ここを出ていくその時に
何かしらあった方がいいでしょ？』









でも正直に言ってしまえば外には行きたくない。
お金も僅かしかないし…………

何より……


私は静かに目を閉じて、思い返す。
嗚呼嫌な事を思い出してしまった。

ツキリと、小さく胸を締め付ける。









「おい、ソラ！」

『！』

「何ボーっとしてんだよ。話聞いてんのか！」

『………何？』


「だぁーかぁーらぁ！！
どこに行くんだって話だよ！」


『近くの、商店街に…………
ザック、あなたは顔を知られているし、
最近話題になっていた顔でもあるから、
家から出ないようにして。

私が行ってくるから』


「おー。」









そして私は支度をして、家を出た。

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