+参佰弐拾漆+ ページ7
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時宏「ったく…………今日は散々だな
大分ある程度腹の痛みはなくなったが………」
事件があったあの日、俺は屯所で待機していた。
勿論、池ちゃんも阿部も待機。
笑えねぇ話だが、隊士の半数が暑さによって
やられちまった為に多くの隊士は残っていたんだが………
時宏「(水でも飲んで今夜はもう休むか………)
……………ん?」
??「──だか──………よ」
中庭にある井戸の水を汲もうとしたら、誰かの気配を感じた。
………別に、隠れたつもりじゃねぇが、
とっさにそいつの声に耳を傾けていた。
??「あーあ………全く、
逃げるからいけないのさ………」
??「ゆ、許してくれ!!
これ以上こんな所にいられねぇんだ!!」
??「局中法度に逆らう気かい?
鬼の副長様が許さないと思うよぉ?」
??「あんな厳しい法度があるか!!
俺は出るぞ!今なら…………!」
何だ?法度だのどうだの………一体何を言ってるんだ?
切迫詰まった空気に俺は違和感を覚えるが、
今更俺が出ても……………
どうしようかと迷っていた時だった。
??「…………逃げたきゃ、逃げなよ。
早くしないと、誤って私が殺しちゃうかもよ?」
時宏「(!?)」
??「私はね、気が短いんだ。
そんな顔をされたら──思わず斬りたくなるからさ」
??「ヒッ………!」
??「さあ………どうする?
局中法度によって局を脱する君達を
私が今ここで斬ってもなんの影響もない。
死ぬかい?それとも、逃げるかい?」
??「ッ…………!」
そして、二つの足音が遠ざかって行った。
……………この声には覚えがある。
でも、今の声は……………知らない声。
まるで、別の何か……………
時宏「…………なあ、そこにいるのは阿部か?」
阿部「……ああ、時宏?」
寒気がした。
あんな事を言っておきながら、
何ともねぇみたいに普通に応えてきた。
そう、声の主は阿部だったんだ。
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冷泉 雪桜(プロフ) - ひゃくまるさん» コメントありがとうございす!そうですね。いつか書けたらいいなと思います。これからもよろしくお願いしますね! (2018年12月26日 15時) (レス) id: 18535e1a43 (このIDを非表示/違反報告)
ひゃくまる(プロフ) - これから山野さんがどんな風に成長していくか楽しみです!作品を読んでて思ったことが山野さんは辛いこととか抱え込んでしまうキャラなのでいつか誰かを頼れるようになるといいですね(*´-`) (2018年12月26日 1時) (レス) id: 057beedb8c (このIDを非表示/違反報告)
なや(プロフ) - 返信ありがとうございます!これからも楽しみにしております(´∀`*) (2018年12月2日 21時) (レス) id: 47f47e69bf (このIDを非表示/違反報告)
冷泉 雪桜(プロフ) - なやさん» なやさんとこの小説を結びつけてくれたのも新選組が紡いでくれた縁だと思います。更新が遅い日々が続いてしまいますがこれからもよろしくお願いします(*´-`) (2018年12月1日 23時) (レス) id: 18535e1a43 (このIDを非表示/違反報告)
冷泉 雪桜(プロフ) - なやさん» なやさんコメントありがとうございます!私はただ誰かと共感したくて自己満で書いただけですが、なやさんのような人に読んでもらえるなんて私としても嬉しく思います。 (2018年12月1日 23時) (レス) id: 18535e1a43 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:冷泉 雪桜 | 作成日時:2018年7月10日 16時