+参佰肆拾陸+ ページ26
･
??「八十八君って、寝顔を見るのが趣味なのかな？」
『！沖田さん………』
沖田「悪趣味だね」
パチリと突然その瞳は開けられた。
そしてゆるりと俺の方を向くと、ニヤリと口は弧を描く。
やっぱり、気づかれていたようだった。
『…………やっぱり、起きてらしたのですね』
沖田「随分と反応が薄いね」
『あなたなら気づくとは思ってましたので』
沖田「つまらないなぁ……………
ふ、ぁ………君のせいでお昼寝が台無しじゃない」
って、本当に寝ていたのか。
てっきり狸寝入りかと思っていたが、
彼は本当に眠っていたようで、
少し眠そうに小さくあくびをする。
流石だ。本当に眠ってるなら起こさないように
一応気配を消して近づいたつもりだが、
全て筒抜けだったようだ。
何だか、起こしてしまったみたいだし、
申し訳なくなってきた。
『すみません、起こしてしまって。
ですが…………まだ傷は癒えてないでしょう？
あまり外に長居しては、お体に障ります』
沖田「心配してくれたんだ？
でも、そんなのはどうでもいいんだよ。
だから君が気にする必要なんてない」
『……』
沖田「それに………僕のは刀傷じゃないし、
大した怪我じゃない。
だから僕は大丈夫なんだけど」
そして彼は感情が読み取れない瞳を俺に向けた。
嗚呼、同じだ。先程見た同じ瞳。
まるで自分の事などどうでもいいと
思っていたかのようにも思えた。
“自分は大丈夫”と彼は言った。
だから、多分彼が気にかけているのは
きっと総長の事だろう。
自分を責め、自分を恨み、
そして……………自分の価値を見出だせないでいる総長。
総長のあの瞳は忘れられない。
その時気がついた。
そう、今の総長と沖田さんが同じ瞳をしていた事に。
沖田さんは──多分、総長と自分を………
重ねている。
それも無意識に。
でもそれは同情の類いじゃない。
もっと別の何か。
恐らく、俺には理解できないものなのだろう。
総長と沖田さんだからこそのものなのだろう。
俺は部外者だ。でも…………
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冷泉 雪桜(プロフ) - ひゃくまるさん» コメントありがとうございす！そうですね。いつか書けたらいいなと思います。これからもよろしくお願いしますね！ (2018年12月26日 15時) (
レス) id: 18535e1a43 (このIDを非表示/違反報告)
ひゃくまる(プロフ) - これから山野さんがどんな風に成長していくか楽しみです！作品を読んでて思ったことが山野さんは辛いこととか抱え込んでしまうキャラなのでいつか誰かを頼れるようになるといいですね(*´-`) (2018年12月26日 1時) (レス) id: 057beedb8c (このIDを非表示/違反報告)
なや(プロフ) - 返信ありがとうございます！これからも楽しみにしております(´∀｀*) (2018年12月2日 21時) (レス) id: 47f47e69bf (このIDを非表示/違反報告)
冷泉 雪桜(プロフ) - なやさん» なやさんとこの小説を結びつけてくれたのも新選組が紡いでくれた縁だと思います。更新が遅い日々が続いてしまいますがこれからもよろしくお願いします(*´-`) (2018年12月1日 23時) (レス) id: 18535e1a43 (このIDを非表示/違反報告)
冷泉 雪桜(プロフ) - なやさん» なやさんコメントありがとうございます！私はただ誰かと共感したくて自己満で書いただけですが、なやさんのような人に読んでもらえるなんて私としても嬉しく思います。 (2018年12月1日 23時) (レス) id: 18535e1a43 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：冷泉 雪桜
| 作成日時：2018年7月10日 16時
