【薄桜鬼】追いかけ隊士！！玖章

+参佰伍拾玖+ ページ39

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『墓参り、やっと出来たな』







壬生寺にポツリと立つ墓。
そこにはかつての同士の名前が刻まれている。
新たに刻まれた、三人の名もまた刻まれていた。

燃え続けていた火がようやく消え、
都は大半が焼け野原と化してから数日。



今まで出来なかった墓参りは
葉月に入ってようやく許可が降りた。

真夏の中でもこの場所だけは
いつまでも不思議な空気が纏っている。
俺は少し枯れかかっていた花を
新しい物音物に変えて、酒を備えた。









『…………』









禁門の変が終わった後、新田と安藤は
それを見届けたかのように息を引き取った。

その日から、俺は思う。



新田は言った……………悪くなかった一生だったと。
自分の価値をここで見出せたと。

新田と俺は似ていたのかも知れない。
新田は自分の価値を見つける為にここに来た。
そして見つけ出して、安らかに眠りながら逝った。


俺はまだ見出だしていない。
自分の価値を、ここにいる意味を。

それが彼との大きな違いだったのだろう。
それが……………俺はまだ成せなかったんだろう。




あれからずっと思い悩んでいた。
それでもまだ分からない事が多すぎる。


新田。俺にも出来るだろうか。
自分の価値を見出だす事が…………








不安な事が多すぎる。

分からない事が多すぎる。








でも、今回の事で唯一分かった事。





見つけ出すしかないんだ。


自分の力で。




出来るかどうかは分からないけれど、


自分で考えたい。確かめたい。


だから、俺はまだ……………諦める事は出来ない。

今はまだ……………





出来るところまで、やってみるよ。






それが俺に出来る事だと、信じたいから。









Aside〜end〜

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