参話 ページ4
燭台切side
また、あの顔………
主、やっぱり君はまだ、
鶴さんの事が忘れられないのかな。
凄く………寂しい顔をしていた。
鶴丸「あー、また避けられてしまったか」
燭台「鶴さん、しつこいのは駄目だよ」
鶴丸「いやぁ………どうにか
笑ってくれないかと思ってなぁ。
顕現した時以来、あまり見ていないしな」
鶴さんはそう言って苦笑していた。
その口調は何となく主の心中は察しているようで、
少し気まずそうに鶴は頬をかく。
鶴丸「………と、そう言えば新刃だったな。
俺は鶴丸国永だ。よろしく頼むぜ。
あ、そうだ。御手杵だったか？
丁度いい、来て早々に悪いがちょいときみに
頼みがあるんだ」
御手「は、俺？いや俺は刺すことしか
脳がねぇんだけどなぁ」
鶴丸「ついでに本丸を案内してやろう。ほらほら！
実は木の枝に凧が絡まってしまってなー」
とか何とか言いながら、鶴さんは来たばかりの
御手杵君の背中を押しながら行ってしまった。
山鳥毛さんはそんな二振りの後ろ姿を見守りながら
僕に声をかけてくる。
彼は洞察力に長けているのか、
場の空気から色々と察してはくれたようだった。
山鳥「この本丸には少々、背負うものが大きそうだ」
燭台「………そうだね。それに関しては全部、
僕達でケリはつけたんだ。
でも………やっぱり一度結んだ縁は
簡単には切れないし、切ってはならないものだから」
山鳥「ふむ。もし何なら必要以上に
深くは聞かないで置くが」
燭台「いや、聞いてほしいな。
君もここに来た以上、この本丸の仲間だ。
主からも話すように言われているしね。
話が長くなるけど、聞いてくれるかい？」
山鳥「無論。それは私にも知る権利があると
小鳥が決めたのなら………
私も聞き届ける義務があるだろう」
燭台「ありがとう。案内しながら話すね。
そうだなぁ、どこから話そうか」
燭台切side〜end〜
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作者名：冷泉 雪桜
| 作成日時：2020年6月28日 10時
