弐拾漆話 神域 ページ28
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??《守れるといいですねー》
五虎「！！」
燭台「また………！」
五虎「は、白鬼さん……！」
白鬼?《待ってましたよ。必死ですね》
山道の最中でまた、
あの座敷童子みたいな子が出て来た。
あれは主の式猫と似たようなもののようらしい。
さっき居た百夜？とか言った子と同じように
不敵に笑ってみせるその髪は、
血のように赤い瞳でこちらを見据えている。
白鬼?《しかし哀れですね。
人の子と添い遂げようとする神々は
他にも見てきましたが、最後の末路は決まっている》
五虎「ｯ………主さまはどこですか」
白鬼?《まあそう慌てず。
命短い人の子。何れは必ず別れが来る。
それはとても哀れで、残酷だとは思いませんか》
燭台「………」
白鬼?《それを嘆き、神々は人を隠した。
手放さぬよう………籠に閉じ込め、
永遠の時を過ごす。
終わりのない、同じ時を………
その方が幸せではありませんか？》
それってつまり………神隠しをしろって事？
そう理解した時。
僕の思考はその単語によって縛られた。
神隠し。それは言葉の通り、
自分の神域に彼女を閉じ込めると言う事。
そこは時の概念は無く、
人がそこに入れば永遠の時を過ごす事になる。
そこに、居れば………
───彼女が、死ぬことはない───
燭台「うっ………！？(僕は、何……を)」
白鬼?《ふふ、ふ………嗚呼やはり貴方も
あの人の子の命短い未来が、嫌なんですねぇ。
それは当たる前の感情。
愛する者であれば尚更………
その短命の時は惜しいでしょう？
しかも桜真の血縁者であれば、
どっちにしろ残された未来は無に等しい》
燭台「(思考、を………読まれ……っ)」
五虎「燭台切、さ……ん？」
白鬼?《何を恐れているのですか。
我々は神。善悪の概念は無い。
神は何をしても善となる。裁く者もいない。
誰も、ね…………》
“欲しいだろう？”
僕は今まで、自分に嘘をついてきた。
皆に心配かけないように、と。
でも僕はもう嘘はつかないと彼女に誓った。
だからか、最近は今まで抑えていた欲が
出るようになって………
朝目覚めて、彼女に会う度………
ご飯を食べる度、話す度に、欲しくなった。
もっと、もっともっと……
“あのコが欲しい”
“死なせたくない”
“同じ時を、同じ景色を、一緒に”
燭台「(助ける………手を貸す……こう言う事、か)」
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作者名：冷泉 雪桜
| 作成日時：2020年6月28日 10時
