拾話 ページ11
not,side
燭台「…………」
薬研「…………」
“心配しなくてもちゃんと帰ります”
“二振りも居ますし、安心してください”
燭台「シキ君、これ、主から？」
シキ《にぁー》
燭台「僕、隠密とか向かないのかな……」
薬研「この感じだと最初からもろバレだな。
ここは潔く諦めな、旦那」
燭台「か、格好悪い………僕……」
───────────────
白鬼《こちらになります》
Aの一行は白鬼と百夜の案内により
辿り着いたのがとある祠。
人気のない場所に建てられた祠はだいぶ古びている。
すると百夜は祠の扉を開き、
中からとあるものを取り出した。
百夜の手にあったのは“人形”。
日本人形のような、陶器で出来た
可愛らしい人形であった。
百夜はその人形を丁寧に持ち、
Aの側に近づく。
その時、その人形は目を開き、口を動かした。
??《お初お目にかかります、御用人殿》
五虎「に、人形が、」
乱「喋った………！」
『！思い出した……オシラサマ……
家々で祀られる、東北の守り神。
名は聞いております』
ｵｼﾗ《そう。私は守り神。
“オシラ様”の信仰によって、各家々に伝わる神が
集結し、私が生まれた。
貴方達は………付喪神ですね。
私も似たような存在。人形をご神体とするばかりに
自分では動くことができぬ故、
このように眷属の手を借りての面会となりましたが、
どうか、ご容赦ください》
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作者名：冷泉 雪桜
| 作成日時：2020年6月28日 10時
