+弐佰漆拾玖+ ページ39
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土方「、………お前も物好きな女だな」
その時ふと、副長が頬杖をしながら苦笑した。
副長の言っている言葉の意味が分からず、
俺が小首を傾げていると、
副長はまた笑って続けた。
土方「人斬り集団の“壬生浪”と呼ばれた狼の巣に、
単身入隊して来たお前は十分に妙な女だよ」
『は、はぁ………』
土方「ったく、表情は滅多に変えねぇくせして、
お前は見た目より単純だな」
『それはどういう意味でしょうか』
土方「“信頼できる”って言ってんだよ」
その言葉に、俺は何だか頬が熱くなるのを感じた。
何か、照れ臭いな………
褒め慣れていないから、こう言う場合
どうしたらいいか相変わらず分からないままだが、
でも………嫌ではなかった。
『………丁度、一年が過ぎましたか』
土方「?なんだ」
『副長に会った日です。
京に来て、俺はあなたに会った。
会ったと言っても、遠目から見ただけですが。
それであなたについていこうとそう思いました』
土方「あ?んだそりゃ…………一目だけで決めたのか」
『ええ。俺の勘です』
土方「おかしな奴だな………」
『はは……よく言われます。』
桜並木の下で、あなたの菫色の瞳に、
俺は直感で感じた。
桜の似合うあなたは、とても気高く…………
俺は初めて、誰かに憧れを感じて、
初めて着いていこうと思えた。
あなたに出会わなければ、俺は生きる事を諦めていた。
俺に、生きる目的を与えてくれた。
だから、俺は新選組に尽くしたい。
“誠”と刻まれた旗は、俺の道標。
この先、最後まで…………
新選組の行く末を見届ける。
最後まで……………
Aside〜end〜
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冷泉 雪桜(プロフ) - 風化月下さん» 月下さん、コメントありがとうございます。小説が長くなり過ぎてしまって少し申し訳ないです…………………………楽しんで貰えているのなら幸いですが( ̄▽ ̄;)これからもよろしくお願いします! (2018年2月8日 21時) (レス) id: 18535e1a43 (このIDを非表示/違反報告)
風化月下(プロフ) - こんなに長くて面白い小説は初めてです!応援してるので更新頑張ってください(*´ω`*) (2018年2月8日 19時) (レス) id: 61e3ec196f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:冷泉 雪桜 | 作成日時:2018年1月12日 19時