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+弐佰漆拾伍+ ページ35

藤堂side






八十は、最近…………
丸くなったような気がする。

最初来たばかりの頃よりも、
何だか、柔らかになったようにも感じる。


八十と今洗濯をしてるけど、
俺の手は動かずに、隣にいる八十を見た。
そう言えば、今日一日中………
八十の奴いるような気がするな。









藤堂「……………」

『……………』

藤堂「……………」

『あの、何ですか?』


藤堂「え?い、いや………そう言えば今日、
八十は仕事はねぇのか?」


『はい。する事もないので』

藤堂「えぇー!町にはいかないのかよ?」

『え、行かないといけませんか?』


藤堂「いやいやいや…………そうじゃねぇけどよ………

折角の休みなんだからさ、
色んなもん見てこればいいじゃん」







非番なら、屯所何かにいないで、
楽しんで来ればいいのに。

洗濯物だって、俺に合わせなくていいのに。


八十の発言に驚きながら、
俺は外に行くように言ってやった。

でも…………帰って来た言葉は酷く、
他人事みたいだった。








『何があるのか、知らないんです。
どこに行ったらいいのか………

自分じゃ分からない事ばかりで』


藤堂「!」








その時、気がついた。
八十は…………知らないんだ。

楽しみ方も、どんなものがあるのかも。
食い物や小物、見る物、聞く物も………
知らなくて、分からないだけなんだって。


それはきっと、八十自身も無意識の事なんだ。







藤堂「……………」

『?藤堂さん?』

藤堂「(何でだよ……)」









知らないなら、分からないなら、
知ればいいじゃねぇか。

俺に付き合って、洗濯なんかしないで。
俺の事なんて、蹴って………
もっと色んなの見てこればいいじゃねぇかよ。









笑えよ、八十──

もっと、いっぱいさ………




俺はお前の過去に何があったのか知らないし、

分からない……






でも………




俺だって知りたいんだ。





お前の事を………









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冷泉 雪桜(プロフ) - 風化月下さん» 月下さん、コメントありがとうございます。小説が長くなり過ぎてしまって少し申し訳ないです…………………………楽しんで貰えているのなら幸いですが( ̄▽ ̄;)これからもよろしくお願いします! (2018年2月8日 21時) (レス) id: 18535e1a43 (このIDを非表示/違反報告)
風化月下(プロフ) - こんなに長くて面白い小説は初めてです!応援してるので更新頑張ってください(*´ω`*) (2018年2月8日 19時) (レス) id: 61e3ec196f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:冷泉 雪桜 | 作成日時:2018年1月12日 19時

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