+弐佰陸拾漆+ ページ27
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沖田「…………君ってさ、
実は自分を追い込むのが好きとか?」
『………は、はあっ?』
沖田さんがいきなりそんな事を言い出した。
言っている意味が分からず、またもや変な声が出てしまった。
沖田さんは理解出来ずに混乱している俺を置いて、続けた。
沖田「前にも言ったよね。
君、気を使いすぎじゃない?
あまり自分を追い込むと、自分を見失っちゃうよ」
『…………』
沖田「もう少し、肩の力抜いたら?」
沖田さんはそう言って、俺の隣に座る。
彼なりに、心配してくれているのだろうか。
…………期待したら、後が怖いし、
俺は黙るしかなかったが…………
じんわりと、暖かく感じた。
沖田「………あ、そうだ。はい、これ」
『?何ですか、これ………?
いした、ちら………くすり?』
沖田「(石田ちら薬??)
これは“石田散薬”って読むんだよ」
『石田散薬?』
沖田「うん。土方さんの実家で作ってる
薬なんだけど」
『え、副長の?………農家だったと聞きましたが、
薬まで作ってたんですか?』
沖田「打ち身、切り傷、骨折や捻挫、筋肉痛………
まあ色々と効くらしいよ?土方さんが君にってさ」
『そう、ですか………』
副長の御実家が作ってるのか…………なんか意外だな。
しかし何故だ?沖田さん、いつもよりやけに
ニコニコしているような気がしてならないが。
沖田「効き目は知らないけど、試しに飲んでみたら?」
『は、はあ……』
まあ、折角準備して頂いたんだ。
勿体ないし、傷を早く治したいし……
俺はそう考えて、一つ貰って
サラサラと口の中へと入れた。
『う"っ!(苦っ………)』
沖田「あー、それ熱燗のお酒だからー」
『ッ〜〜!けほっ、ごほっ!!
そ、それを、早く言って………くだっ!』
あまりにも苦すぎて思いっきり飲んでしまった。
そのせいで、噎せ返ってしまう。
は、はめられた…………!?
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冷泉 雪桜(プロフ) - 風化月下さん» 月下さん、コメントありがとうございます。小説が長くなり過ぎてしまって少し申し訳ないです…………………………楽しんで貰えているのなら幸いですが( ̄▽ ̄;)これからもよろしくお願いします! (2018年2月8日 21時) (レス) id: 18535e1a43 (このIDを非表示/違反報告)
風化月下(プロフ) - こんなに長くて面白い小説は初めてです!応援してるので更新頑張ってください(*´ω`*) (2018年2月8日 19時) (レス) id: 61e3ec196f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:冷泉 雪桜 | 作成日時:2018年1月12日 19時