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??『そこの白い兄さん、下がっといてー』








降ってきた声は良く透き通ったものだった。

空から降ってきた声に反射的に
その声の言う通り飛び退くと、次の瞬間………









??『ほな。これ、あげるな?』









ゴウッ!!








妖蛇《ギャアアッ!!?》









目の前にいた黒蛇の大群は、
一瞬にしてどこからか放たれた劫火によって
焼き払われた………

豪快に蛇が焼かれたが
不思議な事にそれ以上炎が広がる事無く、
火は直ぐに消えた。


………助かったのか?

呆然とその様子を眺めていると、
ふわっと何かが舞う。
チリン、と言う聞いた鈴の音と共に
それは地に降りた。









??『フゥ………白い兄さん、大丈夫やった?』

鶴丸「…………きみ、は」









紅白の着物を纏う少女がそこには居た。
絹のようにきめ細やかな髪を靡かせ、
悪戯っぽく微笑む少女。

人の子、か?最初はそう思った。
だがそれは直ぐに否定される。
少女は以上な妖気らしきものを纏っていたからだ。
この娘………強い力を有している。


だが、何故だ?
何故か、彼女からは………









??『?兄さん、どうしたん?』

鶴丸「いや………すまん。驚いていただけだ」


??『??ぷっ………ククッ!面白い兄さんやなぁ。
うん、怪我はないみたいやね』


鶴丸「………一先ず、助かった。
蛇共を殺ったのはきみだろう?
正直、ちょいと困っていた所だ。礼を言うぜ。

俺は鶴丸国永だ。よろしくな」


??『…………』









俺は礼を兼ねて名乗った。
すると少女はジッとこちらを見ていた。
?何だ何だ?変な事でも言った覚えは無いが、
少女は何やら意味深に見ているだけ。

その茜色の瞳からは、何も読み取れない。
それから一息入れ、彼女は目を伏せる。









鶴丸「どうした?」


??『………いや、何でもない。
懐かしいくて………思い耽っとっただけや。

うちは“A”。鶴の兄さん、よろしゅうな』


鶴丸「(懐かしい?)そうか。じゃあAよ、
色々と聞きたい事はあるが………きみは何者だ?

きみは人ではないだろう。何故こんな所に」


『こんな所にって言われてもな。
そないな事言ったら兄さんは付喪神様やん。
さっきの黒蛇といい、うちの存在と言い………
ここは“そう言う所”やで。

ついでに言えば、兄さんこそ珍しい客やよ?』









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作者名:冷泉 雪桜 | 作成日時:2020年6月20日 10時

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