＊白き焔に雪降りの舞を＊ (ページ5)

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その時だ。
急激にその周囲の気温が下がった様な気がした。
先程まで聞こえていた林の木の葉が擦れ合う
喧噪が、一期に静寂となる。

酷い悪寒だ。
なんの前触れもなく冷水に突き落とされたかの様な
感覚に、思わず身を震わせる。

今度は何だ………嫌な気配だ。何か居る。
人じゃないな。時間遡行軍？
………いや違うな。これは。

と、なると………

鶴丸「(………妖、か？)

………！！上か！？」

妖?《シャァアアッ！！》

鶴丸「ｯ！」

異様な気配を悟った俺は上を見上げた時、
桜の大木から黒いモヤと共に、何か降ってきた。
俺は咄嗟に本体を抜き取り、
抜刀術で受け流そうとした。

だが、ガキン！！と受け止められる。
その妖は“黒蛇”の姿をしていた。
俺の本体並に長く、デカい黒蛇だ。
邪悪なその黒蛇は前歯で俺の本体を受け止めていた。

鶴丸「これは、驚きだ………なっ！！」

妖蛇《ギシャアアッ》

俺は本体を振り下ろし、黒蛇を祓いの蹴る。
叩き落された黒蛇は奇声を上げ、
シュルシュルと顔を上げると威嚇するように
赤い瞳を煌々と輝かせる。

不気味な黒蛇だ。瘴気も強いな。
こんな驚きは求めてはいないんだが。

すると茂みから、ガサガサと何かが出てきた。
それは黒蛇の群れだ。
長い体をくねらせながらぞろぞろ出てきやがった。

瘴気塗れの黒蛇がここまで大量に出て来てもらうと
俺も流石に気味が悪くなる。

鶴丸「こりゃ、まずいな………
蛇には好かれたくないもんだぜ」

ここまで出て来たら、
既に俺は囲まれているだろうな。

ここは一旦退いたほうが良いだろうが、
八方塞がりだ。
瘴気による穢を受ければ
神と言えど色々まずい。

鶴丸「(どうしたものか………)」

??『そこの白い兄さん、下がっといてー』

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