参拾陸 +物の語り手+ ページ38
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俺は“七緒”。
もとい“七重 幾緒”
とある本丸で審神者をしている者だ。
蜂須「主。少しいいか?」
七緒「蜂須賀。ちょっと待ってくれ………どうぞ」
蜂須「仕事は進んで………って、
書類が増えてないか??」
俺が仕事をしていると、この本丸の初期刀である
蜂須賀が入って来た。
彼は入るなり、書斎が資料などの紙で
大惨事になっている俺の部屋を見て、
少し目を見開くと、呆れたように頭を抱えていた。
蜂須「ハァ、あのね主。熱心である事はいいよ………
君は努力家だし、仕事もきっちりこなす。
でも、断れないからと言って
あれこれ仕事を引き受けるなどと………」
七緒「ははは、君の畑内番を
任せた時のように断れって?」
蜂須「そ、それは………そもそも真作である俺を、」
七緒「それと同じだよ。俺には俺にしか
出来ない仕事をしているだけさ。
任せられる仕事は君達にしてもらっているだろう?」
蜂須「…………君って人は……」
蜂須賀は折れたようにまた一つため息をつく。
俺の我儘を彼は何だかんだ言って許してくれる。
いい初期刀を持った。俺の自慢の刀だ。
七緒「それで、どうかしたかい?」
蜂須「………政府からの文だよ。
本当は俺の方で片付けようとは思ったんだが、
どうやら重鎮から直々に送ってきたもののようで。
君には負担をかけたくはなかったんだが………」
七緒「その気遣いだけで嬉しいよ。
届けてくれてありがとう」
俺が渡してもらうように手を差し出すと、
彼は不満げにしていたが、
渋々とその手にある手紙を手渡してくれる。
しかし政府の重鎮から直々とは………
数ある本丸の中で、この本丸を選んで
届けたと言う事だろうか。
一体、どんな要件なんだろう。
七緒「…………」
蜂須「?主?」
七緒「フゥ……なる程ね………」
蜂須「どうかしたのかい?」
七緒「少し、ね………蜂須賀。
“例の件”……覚えているかい?」
蜂須「例の………!あれか」
七緒「支度してくるよ。
念の為君と太鼓鐘を連れて行きたい。
太鼓鐘を呼んできてくれ」
蜂須「分かったよ」
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作者名:冷泉 雪桜 | 作成日時:2020年6月20日 10時