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参拾弐 ページ34








山姥切は自分と同じく手の甲に刻まれた数字を
見せながらそう言った。

可能性は大いにあり得るな。
ここで三振り目が現れるとなったら
関連性があると決めてもいいだろう。

何故俺達であるのかは知らないがな。









『今戻ったよー』

鶴丸「A、丁度いい所に。これ何か分かるかい」

『!…………これ、は』

切国「な、何か知ってるのか」



『………鶴の兄さん、千年と生きて
その漢字分からんのはどうかと思うで?』←


鶴丸「聞いた俺が悪かったな」←






───────────────








鶴丸「きみには角は無いんだな」

『また唐突やな』









夜になり、明かりが焚き火のみとなって
俺達の周りだけが明るく照らされている。

山姥切はもう寝てしまったようで、
僅かながら寝息が聞こえる。
本当に疲れたんだろう。それもそうだ、無理もない。
それで安心した俺は、Aに声をかけてみた。
何故角の話?とか聞かれてもな。
ただ会話の口実が欲しかっただけだ。









鶴丸「ドタバタしてゆっくり
話が出来なかったからな。
しばらくの付き合いなんだ。
仲を深めるのは悪い話じゃあるまい?」


『………ふふっ……せやな。
そう。うちには角はあらへんよ。
“自称、鬼”やでー』


鶴丸「は、自称してたのか」


『“鬼”言うたら舐められへんやろ?
鬼って強そうやん(?)

と言うか自分でも鬼の仲間なんか、
よー分かっとらん』


鶴丸「曖昧だな」

『幽世は何でもあり』←

鶴丸「そんな適当な」


『分からへんよ?兄さん喰ったらパワーアップして
ニョニョキ角が生えてくる事があったりして?』


鶴丸「きみの冗談は笑えないな………」









ニッと笑ってAは言った。
全く掴み所が分からない奴だな。

退屈しない訳だ。









『………“オニ”に喰われる前に、
帰したるよ。ちゃんと』


鶴丸「?」

『頑張ろうな』

鶴丸「A?」

『おやすみ!!』









Aはそう言い残し、ガバッとくるまって寝た。
………何だ今の。何でそんな、









“寂しそうに言ったんだ?”









参拾参→←参拾壱



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作者名:冷泉 雪桜 | 作成日時:2020年6月20日 10時

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