＊白き焔に雪降りの舞を＊ (ページ28)

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弐拾陸ページ28

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鬼頭《ぬぅあああっ！！》

鶴丸「遅い遅いっ！こっちだ！！」

鬼頭《このぉっ！！》

鶴丸「図体デカくあればいいってもんじゃないぜ？」

鬼頭は俺を捉えようと腕を
振り回しているが、なんのなんの。

ただ振り回すだけの、感情に任せた単純な攻撃。
俺は刀の付喪神。
喧嘩慣れしていようが、俺は戦場を知る物だ。
負ける気がしない。

鶴丸「弄ばれる気分はどうだい」

鬼頭《ぐっ、小癪な、！！》

鶴丸「はあぁっ！！」

ザンッ！！

鬼頭《あああああああああっ！？腕、がぁっ！！》

俺は鬼の右腕を斬り落とす。
鬼の勢いを利用し、斬り落とす事が出来た。
鬼頭は倒れ込む。起き上がろうとする所に
俺は刀の切先を突きつけ、
チャラっと鬼頭の首にかけていた鍵を刀で持ち上げた。

鶴丸「さて、俺の勝ちだ。鍵を渡してもらおうか」

鬼頭《ぬぅ………！おいっ！！》

鶴丸「！」

切国「離、せ………！ぐ、ぅ……っ」

鶴丸「山姥切っ！？」

妖怪2《ケヒヒヒッ………》

鶴丸「(あいつ、さっきの枷の妖………！)
はっ………卑怯な手を使ってくれるな」

その時、鬼頭が合図をすると、
首の鎖で山姥切の首を締めるさっきの妖怪が
ニタニタ笑いながら突き付けてきた。

………人質に取られちまった。
うかつだった………これでは鍵を奪えない。
山姥切が即座に殺されてしまう。

苦しげに首輪を掴み、呻く山姥切。
あの枷、強制的に行動を制御されてしまうようだ。
山姥切を人質に取られてしまった以上、
俺も下手に動けない。

鶴丸「………ｯ」

鬼頭《くくくっ……武器を降ろせ。
あの神を死なせたくなければなぁ？》

鶴丸「どっちにしろ、
きみが喰う癖に………悪趣味だな」

鬼頭《助けようとしたならば、お前も“神”だろう。
くは、は………！これはいい。
今宵はいい贄を捉えたものだ》

鶴丸「………」

『ちょっと待ってよ、
勝手に話を進めんでくれへん？』

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