＊白き焔に雪降りの舞を＊ (ページ22)

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弐拾　“罰当たり” ページ22

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鶴丸「妖にまさか奇襲をかける日が
来ようとは思わなかったぜ」

『気をつけてなー。食われんといてなー』

鶴丸「ほいほいっと、さて………行くか！」

俺とAは再び神輿の付近まで戻ってきた。
そこにはまだあの黒いモジャモジャの
妖怪が彷徨いていた。

頭はイカれてはいるが、Aが言うには
それなりに厄介な妖怪だとか。
どうやらあの妖怪が山姥切に
枷られた鎖の術者らしい。

あの妖怪をどうにか出来れば
山姥切を解放出来るやもしれん。

…………と、言う事で奇襲だ。
俺は面を元の位置に戻し、ついでにフードも被った。
顔を見られたら厄介だしな。

鶴丸「A、山姥切の檻をどうにか出来るか？
きみ、火を操れるだろう？」

『切国の兄さんが丸焦げになるで』

鶴丸「！？」

『嘘嘘。ある程度制御出来るから、
焼き切ること自体は簡単やで』

鶴丸「そ、そうか」

『手加減は下手やけどな？』

鶴丸「なるべく抑えてくれ………」

『分かった分かった笑』

妖怪2《ヒ、ヒヒヒヒッ！
またキた、ヒヒヒッ！！死ぬか？死ぬかァ？》

鶴丸「俺が美味いかどうかは知らないが、
試してみるかい？喰えるものなら、なっ！！」

妖怪2《！？ギャッ！！》

俺はこちらに気づいた神輿の番の妖怪に
砂を足でぶっ掛けてやった。
妖怪は不意打ちを受け、顔を覆った。

おお、目潰しはどうやら効くようだ。
俺は目配せをAに送ると
Aは頷いて神輿に向かう。

鶴丸「大舞台の始まりだ。俺に付き合えよ？
罰当たり共っ！！」

鶴丸side〜end〜