+伍+ ページ7
・
尾形「斎藤さん、報告は終わったので?」
斎藤「嗚呼。尾形君は………」
尾形「はい。丁度手続きの事を話してたんです。
この書物を返すついでに、手続きは僕からします故。
僕よりお二人の方が、山野君も落ち着きますしね」
“では、また”と尾形さんは浅く頭を下げて
トトトッと少し急ぎ足で行ってしまう。
すると原田さんが苦笑して、
尾形さんが去った方角を見る。
原「相変わらず、話の分かる奴だな」
『?』
斎藤「俺と左之は古い仲だからな。
尾形君はその方が山野の為だろうと悟ったのだろう」
『(成る程……)』
確かに、斎藤さんは原田さんを“左之”と
呼び捨てにしていた。
それだけ二人は馴染みがあるのだろう。
確かに少し緊張が解れた。
尾形さんのお陰だ。
斎藤「では始めようか」
『!(し、真剣で………?)』
原田「道場は今使ってるしな。中庭の方がいいだろ」
『(……自信ないな)』
俺、真剣はちょっとな……
ド素人が持つにはまだ早いような。
………いや、これは認めてもらういい機会だ。
とりあえず、集中することにしよう。
素人とは言えど、少しの知識はある。
斎藤「全力で来い」
『分かりました。………参ります』
俺は太刀を抜いて、集中する。
俺には、剣は護身術程度ではあるが、
柔道も少しやってる。
だとしてもだ。
ここで絶対に認めてもらわないと、後がない。
──よし………
そう思って、
一本足を踏み込んだ瞬間に、
斎藤さんが刀の柄に手を伸ばしたのが分かって。
これは………一瞬でやられる。
シャッ!!
『うっ!』
居合い!?早いっ………!
避けないと殺られる……っ!
『ぐっ……!』
原田「!(斎藤の居合いを避けた?)」
斎藤「!」
『ッ………はぁああっ!!』
斎藤「甘い!」
ギギィン!!
『くっ……ぁ、ッ!』
斎藤さんの居合いがあまりにも早すぎて、
避けるので精一杯で。
避けたのと同時に打ち込もうとしたが、
刀をあっと言う間に弾かれ、
尻餅ついたと思えば、目の前に刀をつけられた。
172人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
^3^ - 他の作品も読ませてもらっています。いつも楽しみにしているので頑張ってください。応援してます。 (2020年6月20日 2時) (レス) id: bc8dc475f2 (このIDを非表示/違反報告)
冷泉 雪桜(プロフ) - 読みやすいように改善いたしました!時間があるときにまた他の章を改善していきます (2019年7月11日 9時) (レス) id: 18535e1a43 (このIDを非表示/違反報告)
冷泉 雪桜(プロフ) - アキラさん» 一票いただきました!アキラさんコメントありがとうございます!大人組ですね…………まさか同胞がいたとは!←私もあの二人が推しなんですよ!ありがとうございます!ごちそうさまです←← (2017年4月25日 8時) (レス) id: 18535e1a43 (このIDを非表示/違反報告)
アキラ(プロフ) - 原田が一番次に土方やってほしいです (2017年4月25日 7時) (レス) id: d018642a1d (このIDを非表示/違反報告)
冷泉 雪桜(プロフ) - 只今語り部受付中…………ww (2017年4月25日 7時) (レス) id: 18535e1a43 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:冷泉 雪桜 | 作成日時:2017年4月3日 0時