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+参拾壱+ ページ33







時宏「よっ!美男五人衆の一人、
楠殿のお帰り!ってか?」


楠「いえいえ、美男なんて……」


時宏「まあ、俺は山野派だけどな。
そーいや随分と会ってなかったような気がするなぁ?」


楠「たった三日じゃないですか」







愛次「山野、誰だ?」


『嗚呼、愛次郎は初めてだったか。
こいつは“楠 小十郎”だ。
俺と同期で、時宏の対応に困ったら
楠から助けてもらうといい』


時宏「そりゃどういう意味だよ……っ」


楠「初めまして、新人さん」

愛次「よろしく。俺は“佐々木 愛次郎”」








本当につい最近入ったばかりの愛次郎に
楠を紹介すると、楠も続いてあの胡散臭い
笑みで微笑んでる。
本当にいい性格をしている。
腹の中は真っ黒な奴だというのに。

初対面の愛次郎に少し同情しながら、
中庭の方に目線を移して、ぼんやりと眺める。







??「何をしている?」


『!?………、山崎さん』









後ろから呼びかけられて、
振り返るとそこには山崎さんがいた。

……斎藤さんといい、この人といい……
気配にまだ疎い俺には心臓に悪い。
普通に出て来て欲しいと切実に思う。

特に背後は。








山崎「そろそろ稽古の時間だ。壬生寺に戻りたまえ」

愛次「あ、はい!」

時宏「いいところだったんだがなぁ……」






楠「もうそんな時間でしたか……
山野さんは午前の班で終わってるんでしたっけ」


『嗚呼。これから夕飯の仕度だ』


楠「そうですか。では、今夜の食事、
楽しみにしてますね。
山野さんの料理は、隊士の中では一番ですから」









楠はニッコリと笑って、浅く頭を下げると、
そのまま稽古へと向かって行く。

残ったのは山崎さんと俺だけだ。


さて、今夜の夕食はどうしようか。









『では山崎さん。俺も夕食の仕度をしますので、これで』

山崎「ああ、山野君」

『?はい?』


山崎「………少し聞きたいのだが、
楠君とは仲がいいのか?」


『え?……まあ、そうですね。
一応同期に入った者同士ですし、最初に声をかけてくれたのは
楠なので………仲はいいかは分かりませんが、
交流はしている方だとは思いますが』








いきなりどうしたと言うのだろう。
ここへ来てだいたい1ヶ月になるが、
彼とはよく話す方だとは思っている。

俺の手を手当てをしてくれたのも、
俺が女だと言う事も誰にも言っていないようだし。


俺にとっては数少ない理解者。
しかし、山崎さんは何でそんな事を聞くのだろうか?

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^3^ - 他の作品も読ませてもらっています。いつも楽しみにしているので頑張ってください。応援してます。 (2020年6月20日 2時) (レス) id: bc8dc475f2 (このIDを非表示/違反報告)
冷泉 雪桜(プロフ) - 読みやすいように改善いたしました!時間があるときにまた他の章を改善していきます (2019年7月11日 9時) (レス) id: 18535e1a43 (このIDを非表示/違反報告)
冷泉 雪桜(プロフ) - アキラさん» 一票いただきました!アキラさんコメントありがとうございます!大人組ですね…………まさか同胞がいたとは!←私もあの二人が推しなんですよ!ありがとうございます!ごちそうさまです←← (2017年4月25日 8時) (レス) id: 18535e1a43 (このIDを非表示/違反報告)
アキラ(プロフ) - 原田が一番次に土方やってほしいです (2017年4月25日 7時) (レス) id: d018642a1d (このIDを非表示/違反報告)
冷泉 雪桜(プロフ) - 只今語り部受付中…………ww (2017年4月25日 7時) (レス) id: 18535e1a43 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:冷泉 雪桜 | 作成日時:2017年4月3日 0時

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