†捌佰肆拾参† “神を殺してでも” ページ14
桜真の血縁者にしか伝わっていない
人間が唯一神に対抗出来る術。
それが“祝ノ舞”
その舞を行うには条件がある。
三種の神器を見立てた
神気がこもった勾玉、鏡、そして剣を用いて
舞を踊る事で初めて儀式が完成する。
勾玉は……母である夜蝶さんの形見の“翡翠石”
鏡は加州様を封じていた、
かつて紅羽さんが夜蝶さんに送った手鏡。
残すは剣だけだ。
………本当なら、稲荷様らへんに頼もうかと
思っていたけど………
一人では、出来ない事だと知った。
一人で無くても、強くなる理由を知った。
私は私の運命を、自分で変えなければならない。
それに気づけたから。
白山「…………わたくしは、主様の剣、です。
わたくしでよろしいのであれば、お使いください」
『うん、ありがとう』
白山「主様、どうか………
あるべき歴史を、お守りください。
わたくしはいつも、貴方のお傍に居ます」
そう言って、白山様はゆっくりと私に頭を下げ、
そして祈りを口にしながら、
大切な刀身を私に手渡してくれた。
私は直接触らないように、
布で彼の本体を包んで受け取る。
これで、神を祓う為の神気を込める依代は揃った。
後は迎え撃つのみ。
『(………怖い)』
カタカタと、手足が震えた。
覚悟はとうに出来ている。
しかし、やはり恐怖はあった。
一度見たあの禍々しい気配。
邪神を見たあの時、体が動かなかった。
おぞましい神だった。
怖くて目をそらしたいのに、
背を向けた瞬間に確実に殺られると
感じるほどの驚異。
天変地異を容易に出来てしまうような相手と、
これから戦わなくてはならない。
私は舞の衣装に着替え終わっても、
その恐怖は拭えずにいた。
鶴丸《A………いや、今は九重だったな》
『！鶴さん』
鶴丸《大丈夫かい？まあ無理もないが……
もう少し力を抜け。大丈夫だから》
『そう、だね………』
白山「精神を乱せば、呪いが進行致します」
『うん………』
燭台「………主。
この戦いが終わった後の事を考えよう。
少しは気が楽になると思うよ」
『終わった後、ですか？』
燭台「うん。主とやりたい事が、僕には沢山あるよ。
だから、一緒に頑張ろう」
『………ふふっ、はい。そうですね。
ではその為にも今は待ちましょうか。
戦いに備えましょう』
そして………私達はその時を待った。
Aside〜end〜
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冷泉 雪桜(プロフ) - 冬夜さん» 返信が遅れました。コメントありがとうございます。新作の方も是非楽しんで読んでいただけると幸いです！ (2020年5月31日 9時) (
レス) id: 18535e1a43 (このIDを非表示/違反報告)
冬夜(プロフ) - 何て綺麗な話なんでしょう…。思わず泣いてしまいました。鶴さんが紅羽と夜蝶の二人と一緒に逝けてよかったなと思いました。作者様、本当にお疲れ様でした。新作も読ませて頂きたいと思います。 (2020年5月23日 4時) (レス) id: 5a89a411ed (このIDを非表示/違反報告)
冷泉 雪桜(プロフ) - 華音さん» 主人公も名前固定となってきます。注意書きを忘れてましたね、申し訳ないです。追加で記載しておきます (2020年5月5日 21時) (レス) id: 18535e1a43 (このIDを非表示/違反報告)
冷泉 雪桜(プロフ) - 華音さん» コメントありがとうございます。次作はあくまでも“刀剣”の視点となります。なので容易に真名を出すわけにもいかないので基本的に変換はないですね (2020年5月5日 21時) (レス) id: 18535e1a43 (このIDを非表示/違反報告)
華音(プロフ) - 質問なのですがこの縁結びシリーズに続く新作では審神者名としては九重ですがせっかく燭台切と結ばれ恋仲になったので名前の変換とかはないのでしょうか？ (2020年5月5日 20時) (レス) id: 85eea2d6ee (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：冷泉 雪桜
| 作成日時：2020年4月25日 21時
