【刀剣乱舞】その縁、巡りゆく定め (ページ6)

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†漆佰肆拾伍† “偽物” ページ6

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石切「………！」

小狐「？石切丸殿、どうされました？」

石切「…………うーん、ちょっとね。
良くない物が本丸に入り込んだようだ」

縁側にて、石切丸は僅かな邪気を感じ取る。
長年聖域である神社に奉納されていた彼は、
そう言った類の気配に他の刀剣より
非常に敏感であった。

茶菓子を口に運ぶ手が自然と止まる。
小狐丸も石切丸が何かを感じた事を悟り、
その赤い瞳を持つ目を細めた。

鶯丸はその様子を横目にしながら茶をすする。

鶯丸「ほう？石切丸が言うなら、
妙な来客のようだな。おや？」

??「君も感じたようだねぇ………邪気の事だよ？」

石切「にっかりさん……」

鶯丸「青江も何かを感じたか」

青江「しかも相当質の悪い類のようだ。
僅かな気配でも、スゴい物だよ」

小狐「主様(ぬしさま)に何かあったのかもしれませぬ。
今日の近侍殿はどちらに？」

鶯丸「今日は物吉の筈だが………」

ドドドドドッ！！

??「鶯丸！！！！！！！！」

鶯丸「ははっ妙な来客では無く、
煩いやつが来たな」

その時、廊下を忙しない重みのある足音と、
春告鳥を探すデカい声が響き渡る。

鶯丸は得に慌てること無く、
茶を飲み干しながら笑った。

小狐「大包平殿、いかがなされた？」

大包「む、三条のとにっかりか。
どうしたもこうしたもない！

九重が姿を消した！！」

「「「！？」」」

青江「………おやおや、的中したかな」

大包「近侍だった物吉が自分を責めている。
早急に見つけ出そうと探して入るが、見つからん。
鶯丸、見ていないか」

鶯丸「見ていないな。石切丸と青江は
何か妙な物がこの本丸に紛れたとは聞いたが」

大包「何だと？」

石切「皆で探そう。とても嫌な予感がするよ」

そう言って、石切丸は全員を集め
探すように呼びかけた。

裏山、畑、古井戸、小川、裏庭、中庭………
そしてあらゆる部屋を探し回る。
だが、主である九重がいない。

どこを探しても見つからない。

九重は既に本丸から姿を消していた。