【刀剣乱舞】その縁、巡りゆく定め (ページ36)

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†漆佰漆拾伍† ページ36

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??「そんなに叫んでは、喉を潰してしまうぞ？」

ﾂﾑｸﾞ「うっ………う、く…………？(だ、れだ？)」

泣き叫ぶ事しか出来なかった俺に、
声をかけてきた人物がいた。

俺が振り向くとそこには美しい神が
穏やかな笑みを称えていつの間にか立っていた。
平安の狩衣に鎧や装飾品をあしらった
蒼い着物を纏っている。

青みがかった髪に、透き通る瞳。
瞳の奥底には、美しい三日月がそこにあった。
神々しい姿に俺は思わず涙を止めた。

??「三日月宗近だ。
お主の事は主から良く聞かされている。

事態を聞いて、駆けつけてくれたのか？」

ﾂﾑｸﾞ「三日月、様……」

三日月「こんな我らに涙を流してくれるか。
いや、嬉しいなぁ………」

ﾂﾑｸﾞ「…………」

彼はゆったりとした口調でそう言った。
少し困ったような表情を浮かべながら、
彼は俺に近付いてくる。

彼もまた、その身を傷つけていて、
美しい着物が所々赤黒く染まってしまっている。
そして腕に抱きしめていた
安らかに永遠の眠りについている夜蝶を見て、
また彼は苦笑した。

三日月「…………お主は優しいのだな」

ﾂﾑｸﾞ「……いい、え。
私はまた、家族を………守れなかった。
こんな事があって、良かったのでしょうか。

あんまりです………ただ、幸せを願い、
互いを思い合っていただけだと言うのに」

三日月「………そうだなぁ。
その相違によって、今回それが生じてしまった」

ﾂﾑｸﾞ「………」

三日月「それとすまなかった、主の叔父上殿。
主を守れなかった事、詫びよう」

ﾂﾑｸﾞ「ｯ………や、はり、紅羽も……」

三日月「嗚呼。邪神に飲まれてしまった」

ﾂﾑｸﾞ「！…………そう、ですか」

三日月様の言葉に、俺は確信してしまった。
朱鷺はもう、居ないと言う事実を。

そして止まっていた涙が、また流れた。
ひたすらに悲しかった。虚しかった。
あまりにも二人の運命が、可哀想で、可哀想でっ。

俺は朱鷺に、俺なりに愛を捧げた。
だが、朱鷺は………愛の与え方を、
知らなかったんだな。

申し訳なくて、申し訳なくて…………
ひたすらに罪悪感が俺を押しつぶすようだった。