【刀剣乱舞】その神、縁結びを望む者

†漆佰弐拾陸† ページ27

長谷部side








『長谷部、さん………何か、持って、る？』

長谷「？」


『声がする。謝り続ける声がする。
悲しい、声、が………』








皆と合流し、ようやく当目的であった
12の九重に会うことが出来た。

その時、九重が意味深な事を口にする。
悲しい声？そんな事を言われても
俺は何も持ってはいない…………

何の事を言っているんだ？









切国《長谷部、どうした？大丈夫か？
すまない、俺は戦う事が出来ず………》


長谷「(嗚呼そうだった。早く会わせてやらねば)」









すると俺の後ろから声をかけてきたのは
一緒に行動していた山姥切だった。
まずいな。どんどん体が透けてきている。
力も弱っているな………

未来の九重には何とか霊力を
本体から直接供給するように頼んでいるが、
時間の問題か………


いざとなれば俺の神気を少し分けるか。

そんな事を考えていた時、
薬研が山姥切の存在に気づき、
目を見開いていた。









薬研「？お、おい、そこにいるのは………
山姥切の旦那じゃねぇか！？」


山姥《？誰、だ？》

加州「や、山姥、切…………！」


太鼓「あんたが山姥切かー！
ん？何か地味な布被ってんな？

イメージと違って驚いたぜ」



山姥《俺、を………知っているのか？》

燭台「えっ、覚えてないのかい？」

山姥《…………すまない》

燭台「長谷部君、どう言う事だい？」


長谷「俺にも分からないが、
森の奥で行き倒れていたから連れてきた」









『な、何かある、の？』









すると九重が不安そうにそう聞いてきた。
どうやら九重だけが山姥切が見えていないようで、
九重はキョロキョロ辺りを見渡している。

………なら、今の山姥切は
俺達神の類にしか見えていない？
逆に言えばそれまで弱体化が進んでいるのか。









長谷「九重、山姥切が見えてないのか」

『山姥？え？』









加州「山姥切が、どうしてここに………」

切国《それが、分からないんだ》

豊前「お前、前任の初期刀だった、よな？」


切国《らしい、がな………
長谷部から少し聞いた。

だが、思い出せそうにないな》


燭台「でも記憶が無くても、山姥切君………！
まさか君に会えるなんて！

嬉しいよ、もう会えないかと」









『私には、黄色に光る蝶々に見える………』

長谷「山姥切が、光る………蝶？」









その時、何を思ったか………
九重はふと手を伸ばした。

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