†陸佰漆拾壱† ページ13
長谷部君と主が、
ただ話しているだけなのに、
その姿を見ていて…………言葉で表すには難しい
虚無感を感じていた。
サトリ君が嬉しそうに主に抱きついてる。
？？それだけなのに、寂しい………って、
思うのは何故だろう。
最近主は色んな子に近侍を任せてる。
この本丸にも、多くの刀剣が集まった。
彼女は誰かを特別扱いは絶対にしない。
それは彼女が優しいからで………
でも、前までは近侍になれる機会が多かったのに、
最近は全く無いと言っても他言じゃない。
…………嫌だなぁ。ちゃんと分かってる。
彼女は、皆を平等に接してる。
ちゃんと、分かっているのに………
燭台「(人間って………こんな乱暴な
気持ちになるもの、だっけ)」
『？燭台切様？』
燭台「…………」
そしてまた、僕は自分に嘘を………
吐いたような気が、する。
初めて抱くこのドロドロとした感情。
表に出したら………取り返しが
つかなくなるような気がしてならなかった。
これは、夜蝶君を守れなかったあの時から、
感情を殺していた癖。
いや、その時よりも………
抑えていなければと、言う感情が強く感じた。
壊してしまう気がした。
燭台「………長谷部君は、
もっと優しく成るべきだよね」
そうやって、笑って誤魔化した。
この得体の知れない感情を、
表に出してはならない。
これは、自分でも分かっていない感情だ。
乱暴で、身勝手で、我儘な感じ。
人はこれをなんて言うのだろう………
分からない以上は………
これを表に出してはならない。
失ってからじゃ、遅いのだから。
もう失いたく、ない。
覚《……………》
長谷「お前は俺を何だと思っている」
燭台「もう少し器用になろうね。
じゃあ主、僕畑の様子を見に行ってくるよ」
『は、はい………
(どうしたんだろ？
何か、避けられた、ような)』
細くて、今にでも壊れてしまいそうで。
その小さな体を、君の優しさを………
壊さないように。
ごめん、主。
自分に嘘を吐かないって言ったけど、
今だけは…………どうか。
こんな、無様な僕を見ないでくれ。
燭台切side〜end〜
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冷泉 雪桜(プロフ) - 雨宮@たふるさん» コメントありがとうございます。これからもよろしくお願いします (2020年3月12日 13時) (
レス) id: 18535e1a43 (このIDを非表示/違反報告)
雨宮@たふる - いつも楽しく読ませてもらっています。続編おめでとうございます。たまに来る燭さに、にきゅんとしてます！これからも頑張ってください。応援してます。 (2020年3月7日 15時) (レス) id: 3cde28d88e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：冷泉 雪桜
| 作成日時：2020年3月5日 19時
