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佰肆拾漆日 ページ14








『………フゥ』






流石お館様………全てお見通しだったようだ。

本部からの帰り。帰路を歩いている時、私はふっと一息入れた。
あの人の声を前にすると妙に緊張してしまうな。
何もかも見透かされてるかのような感覚になる。
宇髄殿と同じく十七歳を迎えられたが、
歳に似合わず先を見通す瞳。

恐れ入る程の先見の明。
しかし、私の心情も汲み取ってくれて
あえて何も聞かれなかった。

有り難いことだ………







『(長くて後、九年か)』







私は痣を発現する事ができた。
だが、何となくではある、が………
私はきっと、因果を断ち切る選ばれた者ではないのだろう。

私は今後の鬼殺隊の仲間が運命を切り開くための
礎となり、己が成すべき使命を全うする。
それがきっと、私が生まれた意味。


残された時間は少ない。
であれば、私は後に続く者達に託す為に、
出来ることを成さなければならない。


まず優先にするべき事は痣の発現条件。
体の検診を何度かしているが、私の体は欠損した部分がある。
熱も安定しないことが多く、心臓も強い方ではない。
もっと具体的に分かるようにしなければ。









??「あ。そよ風柱」

『桜雲殿』









その時、正面からやって来たのは桜雲殿の胡蝶の姉妹だった。
桜雲殿の背後からひょっこりと姉妹の二人は顔を出して、
私だと気づくと、カナエ殿はパァッと
花開くように私の下までやって来る。








カナエ「あら!こんにちは、小鳥遊さんっ」

『嗚呼久しいね、カナエ殿。しのぶ殿』

しの「こんにちは。ええ、あの日以来ね」

カナエ「嬉しいわ、こんな所で会うなんて!」



桜雲「ちょっとー?そこの姉妹。
師であるうちを差し置いて………やめてくんなーい?」


しの「出会い頭に挨拶もしない貴方に言われたくないわ」


桜雲「………こんのくそ餓鬼……
いい度胸してんじゃねぇかよ、おお"?」











見る限り、どうやら相変わらずのようだ。
しのぶ殿はとても勝気で行動に移るのも早いし、
カナエ殿はおっとりしていて優しい微笑みを称えている。

………元気そうで良かった。










『今日はなんでまたこんな所に──
………って嗚呼。そういえば君の訓練は
この辺りでやっているんだったね。
修行の帰りと行ったところかな?』


桜雲「そ。ったく悲鳴嶼サンの依頼で
別々に修行させろって言うもんだから………」


『?別々?』












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作者名:冷泉 雪桜 | 作成日時:2023年6月22日 15時

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