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三十二度 ページ34









宇髄「俺は音柱・宇髄天元様だ。
しばらくは俺が監視役となる」









案内された部屋で、待っていたのはあの白髪の
やけに派手な男だった。
男は妙な指の指し方で、釘を刺すように私に指摘する。









宇随「いいか。俺は神で、お前は鬼だ。
神である俺の言う事は絶対。しなければど派手に頸を飛ばす。
死にたくなければ俺に付き従え」


『…………』










あれ程冷静且つ、判断力のある男が、普段ではこんな風なのか。
…………これは、面倒だ。
嫌、という訳では無い。やり辛そうで面倒という意味だ。
別にそれだけの理由で己の首を締めるような真似はしないが、
それにしてもあまり見ないような性格の奴で、
接し方が分からない。










宇随「…………何か言えよ」


『…………鬼ダ。血鬼術は骸を操リ、
死ねば死ぬ直前の別の鬼に成り代わル。
無惨を殺すため二、鬼狩りに協力していル』


宇随「は?何で自己紹介してんだお前………」

『今のが貴様の挨拶かと思ったガ、違うのカ』

宇随「そこは”はい、天元様“だろうが」

『ハイ、天元サマ』

宇随「え、喧嘩売ってる???」


『頸を斬った後で、この体の再生をしたのダ。
発音が上手く出来なイ』










胡蝶「そうですね、自己紹介がまだでしたね」

宇随「今の流れで言うのかよ」>
胡蝶「蟲柱・胡蝶しのぶです。もうお分かりかと思いますが、
鬼殺隊には“階級”というものがあります。
“柱”と言うのは、鬼殺隊の中でも
一番上の階級となっていまして、精鋭の幹部です。

貴方はこれから柱達によって監視されますので、
これは覚えておいてください」


『分かった』










胡蝶──蟲柱は、柱について説明をしてくれる。
やはり幹部か。どの柱も確かに纏う空気が違っていた。
彼らを中心として、鬼狩りの組織が成り立っている訳だな。

そして組織の名が“鬼殺隊”──
昔はそのような名があったとは知らず、
ずっと鬼狩りと呼んでいたが、訂正しておこう。

そんな事を考えていると、ふと音柱が口を開く。

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作者名:冷泉 雪桜 | 作成日時:2023年4月18日 21時

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