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二十五度 ページ27

鬼狩りの当主は幹部の意見を
あらかた聞いた後、口を開いた。

産屋敷の当主はただ指示を出す訳ではないらしい。
それぞれの意見に耳を傾けた後に、己の考えを周囲に伝える。
その姿は統率者たる由縁の姿が垣間見えた。









輝哉「天元の言う通り、恐らく彼女の中には
鬼舞辻無惨との接触で何かしら情報を得ているはずだ。
あの子は賢く、観察力にも優れていたからね。

彼女が当時の記憶を取り戻すことさえ出来れば、
無惨に繋がる情報を得られる」


杏寿「しかしお館様!」


輝哉「彼女自身の血鬼術もまた異例であり、
無惨にとっては特別な存在の筈だ。
もしかすると、その血鬼術により彼女の存在事態、
まだ知られていないのかも知れない」











そう言いながら、当主は私の方へと視線を向けた。
不思議な感覚になる。見えていないはずなのに、
まるで見えているかのように、
この私に話しかけるような口振りで話す。

妙な高揚感を覚え、背筋が凍った。











輝哉「君達の意見もまた事実。
人を襲わない保証が禰豆子とは違って、彼女にはない。
だから、常に柱の監視の下で彼女には
行動してもらおうと思うんだ。

一般の隊士との任務は無しに、
柱と彼女のみで任務を任せる。それでどうかな?」


胡蝶「つまり、単独行動をさせないよう、
柱が常に彼女の傍らで待機・監視を行い、
最悪彼女の頸を斬る、ということですね」


輝哉「君達柱は精鋭。任務も多い中で、彼女の監視となると
荷が重いと感じてしまうかもしれないね。
でも君達なら大丈夫だと、私は信じているよ」











………これは、鬼狩りからの提案、といった所か。
情報を提供する代わりとして、私は常日頃から監視の下で
彼らの任務に同行するという事………

任務に手を貸すことは苦ではない。
むしろ、こちらが支払う対価が軽くも感じる。
私もまだこの体となってから、人間の血を見て居ない。
どうなるかは、私にも分からない………その方が健全だろう。











『私はそれで構わなイ。
むしろ、追加で条件を足していい位ダ』


伊黒「ほう?威勢のいいことだ。
ならばここでその誓いが本当か、誠意を証明してみせろ。
本気でそう思っているならな」












その時、黒髪と左右違う瞳の色を持った男が、
首に巻いている蛇の首を撫でながら、
鎖に繋がれている私に近づく。

そして、パサリッと何かを目の前に落とした。

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作者名:冷泉 雪桜 | 作成日時:2023年4月18日 21時

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