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二十二度 ページ24










??「俺達は彼女が死んだと聞かされていましたが?」


輝哉「そうだね、天元。
鎹鴉が彼女の死を確認した後、
伝達の為にその場を離れた後に隠を派遣させたが
その場に彼女は居なかった………

鎹鴉がその場を離れた後に、
鬼になってその場を離れたのだろう。
鴉が見たその時点でAは己の頸を斬っていた。
頸が離れている状態で生きているとは鎹鴉も考えないだろうね」


??「!小鳥遊さんはご自身で頸を斬ったと……?」










蝶の娘の言葉に、彼らは動揺を見せていた。
確かに私が彼女の体に入り、目覚めた時には首が離れていた。
どうにか首をくっつけたが………
頸の断面は見事な斬り口だった。

あれは手練れの者でしか出来ないだろう。
あの場に残されていた刀の位置からして、
この体の娘が斬ったとしか思えない。


すると派手な鉢金を着けた白髪の男、
当主から“天元”と呼ばれた男は、
声色を変えることなく口を開いた。









天元「尚更分からねぇな。
日輪刀で頸を斬れば鬼は死ぬ。だがこの鬼は生きています。
しかし気配や音からしてもこの鬼は紛うことなき“小鳥遊 A”だ。
鬼である事以外は全く同じ気配。

どういう事か理解が追いつかねぇ。
その辺の情報は無いのですか?」


輝哉「それを含めて、彼女からどういった経緯で
現在に至るかを聞こうと思うんだ。

炭治郎や禰豆子の時とは事情が違う。
それに彼女の存在は私達産屋敷の一族が持つ
歴史と少し関わっているから、その辺も踏まえて話そうか」









そう言いながら、産屋敷は私を見た。
私から全て話せという事だろう。
チャラリと鎖を鳴らし、私は顔を上げる。



─────────────────────








私は嘘偽り無く話した。

私は彼らの言う“小鳥遊 A”という者ではなく、
死ぬ事で別の鬼の骸を乗っ取る血鬼術を扱う
“寄生の鬼”である事。

ここへ来れたのはこの体の持ち主である
小鳥遊の断片的に残っている記憶を辿ったからという事。

鬼殺隊に近づいた目的は、鬼舞辻無惨を葬るため。



目的も何もかも全て、彼らに話した。










『この頸を斬っても無駄ダ。私は死ぬ事を許されて居なイ。
私の死ハ、無惨を殺すまで訪れることは無いと思っていル。

私は無惨を葬るまデ、これまで貴様達鬼狩りに
何度も接触を試みていタ。
奴を殺す為ならば、幾らでも協力をしよウ』













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作者名:冷泉 雪桜 | 作成日時:2023年4月18日 21時

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